ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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日本の本格的な供応料理。平安朝の初期に中国風の料理や食器などが日本料理のなかにも導入されて、料理の内容や食べ方の礼式がややできあがったが、細かい体系づくりはできていなかった。室町時代の東山文化のころ、料理内容は複雑になって、食べ方の方式もいちおう確立した。まず海の物、次に山の物、野の物、里の物の順序に食べることになり、供応料理の本膳が登場した。
本膳料理とはいわゆる式正(しきしょう)料理であり、式三献(しきさんこん)、七五三本膳を中軸として種々の形式のものができた。七五三とは七本立、五本立、三本立の意で、七五三本膳の三とは式三献で膳が三つ、五は五献、七は七献まで出すのである。それぞれの一献二献などという膳には数種の料理が含まれているので、かなりの数の料理になる。本膳料理は江戸の中期にはきわめて複雑な供応料理となり、文化・文政(ぶんかぶんせい)(1804~1830)の江戸文化爛熟(らんじゅく)期に大成し、そのまま明治時代に引き継がれたが、しだいに簡素化され、一部の形態を保って昭和になり、現在は名称だけが残り、たとえ本膳の名称を用いていても昔日のおもかげはない。
初め本膳には四方、三方、供応膳を用いていた。四方は四方に穴のあいている白木の食膳で、貴人専用に用いられた。三方は三方に穴のある膳で、いまも用いられている。供応膳は四方にまったく穴のあいていない膳である。献立は汁と菜の数によって、一汁三菜、二汁五菜、二汁七菜、三汁十一菜など種々ある。配膳の順序は、まず客の正面に本膳を置く。本膳は右前方にみそ汁、左前方に飯、右向こうに膾(なます)、左向こうは坪といって野菜の煮物などで、中央には香の物を置く。二の膳は客からみて本膳の右側、左側は三の膳、本膳の右向こうに与の膳、その左手に五の膳を置く。与と五の間には本膳の向詰(むこうづめ)といって、魚の姿焼きが置かれる。このように二の膳、三の膳と番号のつく膳部は、多いときは十五膳も出るが、番号付きの膳部には二の膳の吸い物、三の膳の吸い物といって内容の違った吸い物がつく。それがない膳は側膳(わきぜん)といい、番号がつかない。江戸後期の本膳は、三方、供応膳ではなく、塗り物の高足膳にかわり、食器も漆器本位になる。この膳の高さは35センチメートルぐらいであるが、身分の低い者はさらに低い宗和(そうわ)膳などを用いた。
本膳には真名箸(まなばし)と菜箸(さいばし)を併置し、前者は魚貝鳥類などに、後者は野菜などに用いた。簡素化を求める茶道では、箸の両端を細くして、真名箸と菜箸の二役をさせた。これの考案者が千利休(せんのりきゅう)だということから、いまでも利休箸とよばれている。本膳料理では、まず汁から初めに一口吸い、飯を一口、次は膾を一口、さらに飯というように、料理と料理の間にかならず飯を一口食べる。本膳が終わってから酒宴に移るのだが、本膳の食べ方の作法は複雑で、流派により、時代によって多少の相違がある。これを簡略化したのが袱紗(ふくさ)料理であり、さらに簡単な懐石料理が、いまは日本料理の代表格になっている。
[多田鉄之助]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…懐石(会席)料理ともいう。これは式正(しきしよう)の本膳料理に対応する表現でもある。 懐石の名は,石を焼いて布に包み,これを懐に入れて暖をとったことに由来し,温石で腹を暖める程度に腹中を暖めるということから,軽い食事という意味が生じた。…
…日本の風土と社会の中で形成されてきた料理。広義には日本人が食べてきた料理ということができるが,ことさらに日本料理という場合は,洋風,中国風などの料理に対して,〈日本特有の〉とか,〈伝統的な〉といった性格をもつものとしての呼称である。その狭義の日本料理は,世界的にみてかなり特異な性格のものであり,本項目は主としてその性格形成の過程とその特徴について略述する。日本料理の構成要素である個々の食品などについてはそれらの各項目を,また,世界の中での日本料理のありようを確かめるためには,人類の食生活の諸形態の分析解明を試みた〈食事〉〈料理〉〈肉食〉〈宴会〉などの諸項目を参照されたい。…
※「本膳料理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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