(読み)ラク

デジタル大辞泉 「洛」の意味・読み・例文・類語

らく【洛】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ラク(呉)(漢)
中国の川の名。「洛水
洛水の北岸にある都市の名。「洛陽
都。特に、京都のこと。「洛中洛北花洛帰洛京洛上洛入洛

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精選版 日本国語大辞典 「洛」の意味・読み・例文・類語

らく【洛・雒】

  1. [ 1 ]らくすい(洛水)」または「らくよう(洛陽)」の略。
  2. [ 2 ] ( [ 一 ]から転じて ) みやこ。日本では、京都をいう。
    1. [初出の実例]「洛 ラク 又作雒 京也」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    2. 「らくの貞室、須磨のうらの月見にゆきて」(出典:俳諧・鹿島紀行(1687))

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普及版 字通 「洛」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 9画

(異体字)
14画

[字音] ラク

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は各(かく)。各に烙・絡(らく)の声がある。〔説文〕十一上に陝西左馮翊(さひょうよく)の水名とする。金文の〔季子白盤(かくきしはくばん)〕に「(けんいん)(北方族の名)を伐(はくばつ)す、洛の陽(きた)に」とあり、洛水の上流はの侵寇する地であった。いまの洛陽の字は、古くは(らく)に作る。もと成周といい、都の宗周に対して、軍事的な都市であり、そこに殷民を以て組織する「殷の八師」などの軍がおかれていた。

[訓義]
1. 川の名。
2. のち洛陽をいう、みやこ。

[古辞書の訓]
名義抄〕洛 ミヤコ・サト・ミチ 〔字鏡集〕洛 ミヤコ・ミチ・サト・サハ・ミヅノイヅル

[声系]
〔説文〕に洛声として(落)を収める。(らく)は雨が落(ふ)る意の字。もと洛声に従う字であろう。語彙字条参照。

[熟語]
洛花洛学洛橋洛禊洛書洛誦洛城洛神洛成洛沢洛妃洛洛洛霊
[下接語]
伊洛・花洛・帰洛・京洛・上洛・入洛


14画

(異体字)洛
人名用漢字 9画

[字音] ラク
[字訓] みみずく・かわらげ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は各(かく)。各に洛・絡(らく)の声がある。〔説文〕四上に「忌欺(きぎ)なり」(段注本)とあり、〔爾雅、釈鳥〕にいう怪鴟(かいし)、みみずくをいう。伊洛の洛を、洛の洛と区別してとしるすことが多い。それでとはいまの洛陽をいう。

[訓義]
1. みみずく。
2. 駱と通じ、かわらげの馬。
3. 洛と通じ、洛陽。*語彙は洛字条参照。

[熟語]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「洛」の意味・わかりやすい解説


らく

中国、河南省西部を流れる黄河の支流洛水、またはその北岸にあった古都洛陽(洛水の北の意)の略称。転じて都の意となり、日本では京都の異称として用いられ、京洛、洛中や洛内(京都の市街地)、洛外(京都の市街地の外側)、上洛、下洛などの語もある。また、中国で東西の都である洛陽と長安を東京、西京と対称したところから、日本でも古くは京都の東の京(左京)を洛陽、西の京(右京)を長安とよぶ例もあった。

[宇田敏彦]

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