(読み)くく

精選版 日本国語大辞典 「漏」の意味・読み・例文・類語

く・く【漏】

〘自カ四〙 くぐる。間をくぐりぬける。もれる。
古事記(712)上「我が手俣(たなまた)より久岐(クキ)し子ぞ」
万葉(8C後)一七・三九一一「あしひきの山辺に居ればほととぎす木の間立ち久吉(クキ)鳴かぬ日はなし」

ろう【漏】

〘名〙 「ろうこく(漏刻)」の略。
菅家文草(900頃)二・過大使房賦雨後熱「言笑不夜漏夢到故山雲」 〔説文‐巻一一下〕

ろ【漏】

〘名〙 仏語。漏れ出るものの意で、煩悩異名
法華義疏(7C前)一「諸漏已尽無復煩悩者、嘆羅漢不生徳」 〔法華経序品

も・りる【漏】

〘自ラ上一〙 も・る 〘自ラ上二〙 =もる(漏)
古今六帖(976‐987頃)五「夏衣うすき心と聞くからに言の葉さへやもりむとぞ思ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「漏」の意味・読み・例文・類語

ろう【漏】[漢字項目]

常用漢字] [音]ロウ(漢) ロ(慣) [訓]もる もれる もらす
ロウ
液体などがすきまからもれる。「漏洩ろうえい漏出漏水漏電漏斗ろうと歯槽膿漏しそうのうろう
必要な物事が抜け落ちる。手落ち。「遺漏欠漏杜漏ずろう疎漏脱漏
水時計。「漏壺ろうこ漏刻砂漏夜漏
〈ロ〉煩悩ぼんのう。「有漏うろ無漏
難読漏斗じょうご

ろ【漏】

仏語。流れて漏れ出てくるけがれ。煩悩ぼんのうのこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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