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生気象学 せいきしょうがく biometeorology

翻訳|biometeorology

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生気象学
せいきしょうがく
biometeorology

地球大気環境が生物に及ぼす物理的・化学的・生理学的な影響を研究する学問。主要な研究分野は人間の健康状態と気象との関係である。1955年の第1回国際生気象学会と翌 1956年のシンポジウムで「大気の地球物理および地球化学的環境と,植物・動物および人間の生体との,直接的もしくは間接的内部関連を研究すること」と定義,体系化され,研究分野は大きく五つ(植物,動物,医学,宇宙的影響,古生気象学)に分類された。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

生気象学

植物、動物、人間などの生体への気象の影響を研究する学問。リウマチや神経痛、ぜんそくなどのように、ある気象状況になると痛み(天気痛)を増したり発病したりする気象病や、インフルエンザ、花粉症のように特定の季節に発病する季節病などがある。日本では春先はスギ花粉の飛散が多いので花粉情報を、また、初夏は紫外線量が多いので紫外線情報を、夏期間は熱中症が多発しやすいので熱中症予防情報を発表し、注意を促す。インターネットの普及などにより、日々の天気予報と個人の行動、持病、体質などを組み合わせ健康管理アドバイスをする健康予報事業が、拡大してきている。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

せい‐きしょうがく〔‐キシヤウガク〕【生気象学】

気象・気候が生体に及ぼす影響を研究する学問。

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百科事典マイペディアの解説

生気象学【せいきしょうがく】

広く人間を含む生物に対する気象条件の影響を調べる学問。疾病に対する影響,生活環境(衛生)としての気象,風土馴化(じゅんか)等の問題がおもな対象となる。これに対し気候が生体に及ぼす影響を研究する気候学の一分野を生気候学といい,各地の気候的条件と発病の関係,疾病の季節による変動,疫学に関連する分野などを主要な対象としている。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいきしょうがく【生気象学 biometeorology】

生体とそれを取りまく気象との関連性を研究する学問で,1955年にパリで国際生気象学会の第1回総会が開かれたとき,〈大気の物理的・化学的環境条件が生体に及ぼす直接,間接の影響を研究する学問が生気象学である〉と定義された。人間生気象学,動物生気象学,植物生気象学,宇宙生気象学,古生気象学などの領域に分かれ,気象学,生理学,生態学などの境界領域に属する学際的な学問である。気象学的・気候学的な条件が生体に及ぼす影響についての学問は古い。

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大辞林 第三版の解説

せいきしょうがく【生気象学】

生物体である人間や動植物に地球の大気や地球外環境の物理的・化学的変化が及ぼす影響を研究する学問。生気候学。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生気象学
せいきしょうがく
biometeorology

人間を含むあらゆる生体と天気、気候との関係を研究する学問。衛生気象学ともいう。1956年にフランスのパリで開かれた生気象学のシンポジウムでは次のように定義された。「生気象学とは、大気の地球物理的および地球化学的環境条件が、動・植物および人間の生体に及ぼす直接的・間接的な影響を研究する学問である。ここで環境とは生物に影響する限り、微視的巨視的もしくは宇宙的なもの(太陽、月などの影響)全部を意味し、さまざまな物理的・化学的因子によって表現される。生気象学は野外で行われるばかりでなく、物理的・化学的および生物的要因の制御可能な実験室内においても行われる」。
 この定義は広範にわたるものであるが、気象学と名のつく以上、生気象学は応用気象学の一分野とみるべきで、外界の変化に対応しておこる生体の側の反応を調べることに重点が置かれる場合には、生理学もしくは気象医学として区別すべきであろう。生気象学という以上、気象条件そのものについての研究に重点が置かれるべきと考える。しかしこの学問に携わる学者に医学者が多いこともあって、この両者を含むような分野が一般には生気象学として通用している。1963年にトロンプSolco Walle Tromp(1909―1983)が示した五つの生気象学の分野のなかには、病理学の一部や、温泉療法、気候療法なども含まれているのである。
 病気の要因として気象条件を考えることは、古代ギリシアの医学者ヒポクラテスのころからいわれたことであり、東洋の医学でも熱病を扱った『傷寒論』などで外的条件も重視しているが、病気の要因として気象を考える場合には、(1)要素主義的な立場と、(2)総合的条件として気象を考える立場とがある。(1)は気温、湿度、風などの要素に注目し、それぞれの変化に対応した反応を調べるものであるが、この立場の展開においては、さらに新しい要素(たとえば大気イオン)を付け加えるということが考えられるであろう。これに対して、(2)の立場は、天気図などに表現された、総観的条件との対応を調べていくような方向の研究になるのである。
 生気象学には、工学者がこれに加わることにより、人為的な環境条件の適・不適を論ずるといった分野の研究もある。[根本順吉・青木 孝]
『ヘルマット・E・ランズバーグ著、倉嶋厚・田崎允一訳『からだと天気――生気象学入門』(1975・河出書房新社) ▽山西哲郎著『ランナーズブック』(1989・窓社) ▽日本生気象学会編『生気象学の事典』(1992・朝倉書店) ▽黒島晨汎著『環境生理学』(1993・理工学社) ▽吉野正敏・福岡義隆著『医学気象予報――バイオウェザー・病気と天気の不思議な関係』(2002・角川書店) ▽村山貢司著『病は気象から』(2003・実業之日本社) ▽福岡義隆著『健康と気象』(2008・成山堂書店) ▽加賀美雅弘著『気象で読む身体』(講談社現代新書) ▽神山恵三著『気象と人間――生気象学入門』精選復刻版(紀伊國屋新書)』

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