禁裏(読み)キンリ

デジタル大辞泉 「禁裏」の意味・読み・例文・類語

きん‐り【禁裏/禁×裡】

《みだりにその中に入ることを禁じる意から》
天皇住居皇居禁中御所
天皇。禁裏様
[類語](1皇居御所宮城宮中内裏王宮宮殿宮廷離宮禁中畏き辺り王城大内山雲上雲の上九重ここのえ行宮あんぐう

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精選版 日本国語大辞典 「禁裏」の意味・読み・例文・類語

きん‐り【禁裏・禁裡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( みだりにその裡(うち)に入ることを禁ずるの意から ) 天皇の住居。宮中。禁中。皇居。御所。
    1. [初出の実例]「院并禁裏被儲武士、侍臣各可勇幹者一騎之由風聞」(出典明月記‐治承四年(1180)一二月一五日)
    2. 「禁裏皆焼けるに」(出典:撰集抄(1250頃)九)
  3. ( に住んでいる人をさす ) 天皇。禁裏様。禁中様。
    1. [初出の実例]「左典廐昇進事、及同室家可禁裏御乳母歟事、二品所執申也」(出典:吾妻鏡‐文治二年(1186)二月六日)
  4. 内裏雛(だいりびな)
    1. [初出の実例]「いり豆に花がきんりへちそう也」(出典:雑俳・柳多留‐一九(1784))

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改訂新版 世界大百科事典 「禁裏」の意味・わかりやすい解説

禁裏 (きんり)

天皇がつねに居住しているところ。禁中,内裏(だいり)も同じ意味である。六国史においては,内裏が主として用いられ,〈定策禁中〉のように,禁中が数回見えるのみで,禁裏という語は用いられなかったが,時代が下るにしたがって,禁裏御倉禁裏供御人などしだいに用いられるようになり,とくに江戸時代になると,幕府の役職名にも〈禁裏附〉(公家では〈附武士〉と呼んだ)のあるごとく,多用されている。
内裏
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普及版 字通 「禁裏」の読み・字形・画数・意味

【禁裏】きんり

宮中。唐・王維〔郭給事に酬ゆ〕詩 禁裏の疎、宮舍(く)れ 省中鳥、人稀(まれ)なり

字通「禁」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「禁裏」の意味・わかりやすい解説

禁裏【きんり】

天皇が常住する所。古代内裏(だいり)の語が使われることが多く,禁中も用いられた。とくに江戸時代は禁裏が多用されるようになる。
→関連項目四座雑色

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世界大百科事典(旧版)内の禁裏の言及

【皇居】より

…天皇の住居。古くは宮,宮室,内裏,禁裏,禁中,禁闕,内,御所などのほか,大宮,大内,九重,百敷(ももしき)などの美称もあり,〈皇居〉の語も平安時代には記録に見える。東京遷都に際し,江戸城を東京城と改称,ついで皇城と公称したが,明治宮殿完成後は宮城を公称と定めた。…

※「禁裏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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