精選版 日本国語大辞典「管」の解説
かん クヮン【管】
[1] 〘名〙
① 中が空洞になった、細長い棒状のもの。くだ。つつ。「ガス管」「水道管」 〔荘子‐秋水〕
② 筆の軸。また、筆。〔詩経‐邶風・静女〕
※栄花(1028‐92頃)音楽「管を吹き絃を弾き、鼓を打ち、功を歌ひ、徳を舞ふ」 〔詩経‐商頌・那〕
④ 笛の一種。穴の六つあるもの。一説に、小さい笛で、二つをあわせて吹くもの。
⑤ 前装銃に用いる雷管。小銃の火門に、雷薬をつけて被らせたもの。銅製で、打金で打って火を発す。
⑥ 権限によって支配すること。支配されること。また、その範囲。
※読本・椿説弓張月(1807‐11)前「官に怕(おそ)れずして管に怕れよ」
[2] 〘接尾〙 管楽器、筆など、くだで作られたものの個数を数えるのに用いる。
※延喜式(927)一三「兎毛筆七管。鹿毛筆二管」
かん‐・する クヮン‥【管】
〘他サ変〙 くゎん・す 〘他サ変〙
① おさめる。管理する。取り締まる。保管する。
※百丈清規抄(1462)四「法鼓をば、侍者が管するほどに侍者に借ぞ」
② 心にかける。頓着する。
※正法眼蔵随聞記(1235‐38)六「然れば、学人祗管打坐して他を管することなかれ」
③ かかわる。関係する。
※航米日録(1860)二「応接に管せざる者、外従臣帰船すべきに定まる」
かん‐・す クヮン‥【管】
〘他サ変〙 ⇒かんする(管)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報