デジタル大辞泉
「胆」の意味・読み・例文・類語
たん【胆】
1 肝臓。きも。
2 からだの中で、勇気や度胸の生じるもとと思われているところ。きもったま。
「世に骨無き人は多く―有る人は稀なれば」〈露伴・風流魔〉
い【▽胆】
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い【胆】
※霊異記(810‐824)上「小子部栖軽は、〈略〉
雄略天皇〈大泊瀬稚武の
天皇と謂す〉の
随身、肺脯
(しふ)の
侍者なり〈興福寺本訓釈 肺脯 上音之反訓支毛 下普音反訓伊〉」
※大智度論天安二年点(858)六〇「諸天子其れが胆(イ)の力を益す」
[語誌](1)「い(胆)」は古くからもっぱら
辞書・訓点資料の
和訓として用いられていた。
(2)中世末以降、一般作品では「くまのい(
熊胆)」などの複合語の形で残存する。この時期、内臓は
字音で呼ぶ傾向にあったことや、一般語として浸透しつつあった「い(胃)」との同音衝突により、衰退していったと考えられる。
たん【胆】
〘名〙
① 肝臓。きも。〔撮壌集(1454)〕
② きもだま。きもったま。胆力。また、しっかりした心。
※義血侠血(1894)〈
泉鏡花〉一一「
半円の
酒銭(さかて)を投じて、他の
一銭よりも吝まざりし此美人の胆
(タン)は」 〔蜀志注‐趙雲伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報