腐す(読み)クサス

デジタル大辞泉 「腐す」の意味・読み・例文・類語

くさ・す【腐す】

[動サ五(四)]悪意をもって悪く評する。欠点をことさらに取りあげて悪く言う。けなす。「ライバル仕事を―・す」
[可能]くさせる
[類語]貶す扱き下ろす謗るけちを付ける難癖を付ける悪し様ぼろくそ口汚いくそみそ罵詈雑言ばりぞうごん悪口わるくち陰口誹謗謗り中傷悪口あっこう雑言罵詈悪態悪罵嘲罵痛罵怒罵面罵罵倒讒謗悪たれ口憎まれ口

くた・す【腐す】

[動サ四]
朽ちさせる。くさらせる。
の花を―・す長雨ながめの」〈・四二一七〉
気持ちをえさせる。そこなわせる。
「あなかしこ、あやまち引き出づななど宣ふに、―・されてなむ煩はしがりける」〈竹河
非難する。けなす。また、評判などを落とす。
在五中将の名をば、え―・さじ」〈絵合

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精選版 日本国語大辞典 「腐す」の意味・読み・例文・類語

くた・す【腐】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 後世は「くだす」とも )
  2. 朽ちさせる。くさらせる。損ずる。
    1. [初出の実例]「富人(とみひと)の家の子どもの着る身無み久多志(クタシ)棄つらむ絹綿らはも」(出典万葉集(8C後)五・九〇〇)
  3. 感情意志を)そこなう。はたらきのないようにする。心の中に秘めておし殺す。
    1. [初出の実例]「心のうちにくたして過ぎぬべかりけるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  4. わるくいう。非難する。けなす。くさす。
    1. [初出の実例]「淑(よ)き匿(あ)しきを褒(あ)げ、貶(クタシ)幽明なるは」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)五)
    2. 「此等の人、後の世の歌人をくたしたるなるべし」(出典:ささめごと(1463‐64頃)下)
  5. ( 多く「名を腐す」の形で ) 評判などを落とす。けがす。
    1. [初出の実例]「兵衛の大君の心高さは、げに捨て難けれど、在五中将の名をば、えくたさじ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)

くさ・す【腐】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. (悪意をもって)わるく言う、批評する。けなす。
    1. [初出の実例]「おかんさんの、くさすも久しいもんだ」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))
  3. くさらす(腐)
    1. [初出の実例]「キヲ cusasu(クサス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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