デジタル大辞泉
「腐す」の意味・読み・例文・類語
くた・す【▽腐す】
[動サ四]
1 朽ちさせる。くさらせる。
「卯の花を―・す長雨の」〈万・四二一七〉
2 気持ちを萎えさせる。そこなわせる。
「あなかしこ、あやまち引き出づななど宣ふに、―・されてなむ煩はしがりける」〈源・竹河〉
3 非難する。けなす。また、評判などを落とす。
「在五中将の名をば、え―・さじ」〈源・絵合〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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くた・す【腐】
- 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 後世は「くだす」とも )
- ① 朽ちさせる。くさらせる。損ずる。
- [初出の実例]「富人(とみひと)の家の子どもの着る身無み久多志(クタシ)棄つらむ絹綿らはも」(出典:万葉集(8C後)五・九〇〇)
- ② (感情や意志を)そこなう。はたらきのないようにする。心の中に秘めておし殺す。
- [初出の実例]「心のうちにくたして過ぎぬべかりけるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
- ③ わるくいう。非難する。けなす。くさす。
- [初出の実例]「淑(よ)き匿(あ)しきを褒(あ)げ、貶(クタシ)幽明なるは」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)五)
- 「此等の人、後の世の歌人をくたしたるなるべし」(出典:ささめごと(1463‐64頃)下)
- ④ ( 多く「名を腐す」の形で ) 評判などを落とす。けがす。
- [初出の実例]「兵衛の大君の心高さは、げに捨て難けれど、在五中将の名をば、えくたさじ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
くさ・す【腐】
- 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
- ① (悪意をもって)わるく言う、批評する。けなす。
- [初出の実例]「おかんさんの、くさすも久しいもんだ」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))
- ② =くさらす(腐)③
- [初出の実例]「キヲ cusasu(クサス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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