普及版 字通 「著」の読み・字形・画数・意味
著
常用漢字 11画
(旧字)
13画
[字訓] つく・つける・あきらか・あらわす・いちじるしい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(者)(しや)。は(と)・書の字の従うところで、は呪符としての書を埋めて、邪霊の侵入を防ぐ垣、その呪符の文を書という。その書によって、呪的な力をそこに附著させるので、「著(つ)く」の意となる。その呪力が著明であることから顕著の意となり、著作の意となる。着と同字であるが、その慣用を異にするので、いま着(ちやく)と項目を別にして扱う。〔説文〕には未収。〔広雅、釈詁四〕に「らかなり」、〔玉〕に草の名とする。著作の字にを用いることがあるが、それは匙(しちよ)の字。秦・漢の碑銘にの字がみえている。
[訓義]
1. つく、つける、身につける、そえる、ほどこす。
2. めだつ、あらわれる、あきらか、あらわ。
3. いちじるしい、しるし。
4. あらわす、かきしるす。
5. さだめる、ひさしい、おく、たくわえる。
6. (ちよ)と通じ、門の間、にわ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 キル・ツク・ハク・アラハス・シルス・クル・ワタイル 〔字鏡集〕 ケガル・アラハス・アキラカナリ・ツラヌク・アツマル・シルシオケリ・ノブ・ツクル・シルス・クルフ・キル・トドマル・ハシ・ハク・キタル・ハウ・ツク・ワタイル
[語系]
tia、・(都)taは声義近く、をめぐらしたところは。その中には呪符としての書を著けて、呪力を附著する。その呪力の著明であることをまた著という。(章)・(彰)tjiangにもまた彰明の意がある。
[熟語]
著衣▶・著意▶・著花▶・著眼▶・著脚▶・著屐▶・著実▶・著手▶・著色▶・著心▶・著想▶・著地▶・著底▶・著▶・著▶・著筆▶・著粉▶・著鞭▶・著目▶・著落▶・著力▶・著安▶・著位▶・著見▶・著稿▶・著作▶・著式▶・著述▶・著書▶・著称▶・著姓▶・著積▶・著績▶・著節▶・著説▶・著▶・著然▶・著定▶・著白▶・著聞▶・著密▶・著名▶・著明▶・著令▶・著録▶・著論▶
[下接語]
遺著・合著・旧著・共著・顕著・雑著・自著・昭著・章著・彰著・拙著・著・編著・名著・明著・論著
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報