(読み)チョ

デジタル大辞泉 「著」の意味・読み・例文・類語

ちょ【著】[漢字項目]

[音]チョ(呉)(漢) チャク(漢) ジャク(ヂャク)(呉) [訓]あらわす いちじるしい つく つける
学習漢字]6年
〈チョ〉
書きつける。書物にあらわす。「著作著者著述著書著録共著編著
あらわした書物。「遺著旧著高著新著拙著大著名著
目立つ。いちじるしい。「著効・著聞著名顕著
〈チャク〉つく。つける。「著心・著到」
[補説]「着」はもと「著」の俗字であるが、を「著」、を「着」と使い分けるようになった。
[名のり]あき・あきら・つぎ・つぐ

ちょ【著】

書物を書きあらわすこと。また、その書物。著書。「新進作家になる書物」
明らかであること。
「微を見ること―の如くなったならば」〈中島敦名人伝
[類語]著書著作著述述作著す著作物原著主著近著新著旧著前著前書単著共著自著

ちゃく【著】[漢字項目]

ちょ

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精選版 日本国語大辞典 「著」の意味・読み・例文・類語

ちょ【著】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 書物を書きあらわすこと。また、その書物。著述。著作。著書。
    1. [初出の実例]「李斯が、是は韓非が著でさう、今韓にいきさふと云たほどに」(出典:史記抄(1477)一一)
  3. 明らかであること。明瞭。顕著。
    1. [初出の実例]「小を視ること大の如く、微を見ること著(チョ)の如くなったならば」(出典:名人伝(1942)〈中島敦〉)

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普及版 字通 「著」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
13画

[字音] チョ・チャク
[字訓] つく・つける・あきらか・あらわす・いちじるしい

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(者)(しや)。(と)・書の字の従うところで、呪符としての書を埋めて、邪霊の侵入を防ぐ垣、その呪符の文を書という。その書によって、呪的な力をそこに附著させるので、「著(つ)く」の意となる。その呪力が著明であることから顕著の意となり、著作の意となる。着と同字であるが、その慣用を異にするので、いま着(ちやく)と項目を別にして扱う。〔説文〕には未収。〔広雅、釈詁四〕に「らかなり」、〔玉〕に草の名とする。著作の字にを用いることがあるが、それは匙(しちよ)の字。秦・漢の碑銘の字がみえている。

[訓義]
1. つく、つける、身につける、そえる、ほどこす。
2. めだつ、あらわれる、あきらか、あらわ。
3. いちじるしい、しるし。
4. あらわす、かきしるす。
5. さだめる、ひさしい、おく、たくわえる。
6. (ちよ)と通じ、門の間、にわ。

[古辞書の訓]
名義抄 キル・ツク・ハク・アラハス・シルス・クル・ワタイル 〔字鏡集〕 ケガル・アラハス・アキラカナリ・ツラヌク・アツマル・シルシオケリ・ノブ・ツクル・シルス・クルフ・キル・トドマル・ハシ・ハク・キタル・ハウ・ツク・ワタイル

[語系]
tia、(都)taは声義近く、をめぐらしたところは。その中には呪符としての書を著けて、呪力を附著する。その呪力の著明であることをまた著という。(章)・(彰)tjiangにもまた彰明の意がある。

[熟語]
著衣・著意・著花・著眼・著脚著屐・著実・著手・著色・著心・著想・著地・著底・著・著・著筆・著粉・著鞭・著目・著落・著力・著安・著位・著見著稿・著作・著式・著述・著書・著称・著姓・著積著績・著節・著説・著著然・著定・著白・著聞・著密・著名・著明・著令・著録・著論
[下接語]
遺著・合著・旧著・共著・顕著・雑著・自著・昭著・章著・彰著・拙著・著・編著・名著・明著・論著

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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