薩摩芋・甘藷(読み)さつまいも

精選版 日本国語大辞典「薩摩芋・甘藷」の解説

さつま‐いも【薩摩芋・甘藷】

〘名〙
① ヒルガオ科のつる性多年草。中南米原産とされ、日本には江戸時代に中国・沖縄・薩摩を経て渡来青木昆陽が救荒作物として普及につとめ広く栽培されるようになった。地下に肥厚した塊根()があり、茎は細長く地をはい、長さ二メートルぐらいになる。葉はやや紫褐色で長柄を持った先のとがった心臓形で、時に鋸歯がある。暖地では夏、葉腋(ようえき)から花柄がのび、淡紅紫色で径約四センチメートルの漏斗状の花が四、五個ずつ咲く。芋は食用にされ、また澱粉、アルコール、焼酎(しょうちゅう)などの原料になる。漢名、甘藷。からいも。りゅうきゅういも。しまいも。とういも。さつま。《季・秋》
▼さつまいもの花 《季・夏》 〔俳諧・手挑灯(1745)〕
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「琉球芋(サツマイモ)なら一本十六文(そくもん)(づつ)もしべいといふ」
② (①は薩摩国が産地であるところから) 薩摩国(鹿児島県)出身の人をののしっていう語。また、野暮(やぼ)な人をいう語。
※雑俳・柳多留‐八(1773)「品川は山のいもよりさつまいも」
[補注]その名称は出身地・伝来経路に由来し、東日本から近畿・中国にかけて「サツマイモ」、九州北部から山口などにかけて「トウイモ唐芋)」、九州南部と四国の一部で「カライモ(唐芋)」、九州北西・中国・四国・能登などで「リュウキュウイモ」と称する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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