(読み)ニン

デジタル大辞泉 「認」の意味・読み・例文・類語

にん【認】[漢字項目]

[音]ニン(呉) [訓]みとめる したためる
学習漢字]6年
物事をそれと見きわめる。「認識認知確認誤認視認
それと見定めて許す。承知する。みとめる。「認可認定認容公認承認信認是認追認否認黙認容認
[名のり]もろ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「認」の意味・読み・例文・類語

したた・める【認】

〘他マ下一〙 したた・む 〘他マ下二〙
① 整理する。処理する。処置する。かたづける。また、管理する。
※延宝版宇津保(970‐999頃)蔵開中「ふばこには、唐の色紙を二つに折りて、葉(えふ)したためて」
※宇治拾遺(1221頃)九「国の政をしたためおこなひ給あひだ」
② ととのえる。用意する。準備する。特に、食事の支度をする。料理をする。
落窪(10C後)四「まかり下るべき程いと近し。したたむべき事共のいと多かるを」
古今著聞集(1254)一八「侍ども寄りあひて、大鴈を食はんとて、したためける所へ」
③ 食事をする。食べる。
※宇治拾遺(1221頃)一「かくて夜明にければ、物食ひしたためて、出てゆくを」
義経記(室町中か)五「菓子ども引き寄せて、思ふ様にしたためて、居たる所に」
④ 煮るの意の女房詞
※御湯殿上日記‐明応九年(1500)四月二九日「またはくよりかまほこ、はまあふり、ことやうしたためておひらもまいる」
⑤ 書きしるす。
讚岐典侍(1108頃)下「よみし経をよくしたためてとらせんと仰られて」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)市振「あすは古郷に返す文したためて」

み‐と・める【認】

〘他マ下一〙 みと・む 〘他マ下二〙
① 見て知る。見て尋ねあてる。よくよく気をつけて見る。見きわめる。見定める。
古事談(1212‐15頃)四「且追海上、認其泊処
※勇敢なる水兵(1895)〈佐佐木信綱〉「副艦長のすぐゆくを 痛むまなこにみとめけん」
② 目にとめる。見て気がつく。
浮世草子・好色一代女(1686)三「坐中を見廻し立ち上りぬる気色、見とめる人も無く」
③ 見て判断する。また、判断して受け入れる。認識する。
※浮世草子・男色大鑑(1687)五「去るとては、落ちつきたる仕方なりと、見とめし諸人、これを誉めざるはなし」
暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉一「好意は認(ミト)めながら彼は時々腹を立てた」
④ 見て許可する。かまわないとして許す。承認する。また、容認する。
※若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上「ええ、私達認めましたわ。一つだけ義務を負はせて」
⑤ 価値があるものとして受け入れる。見所があるものとして注目する。評価する。
草枕(1906)〈夏目漱石〉九「眼中には丸で小説存在を認めて居ない」

みとめ【認】

〘名〙 (動詞「みとめる(認)」の連用形名詞化)
① 目にとめること。また、容認すること。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉九「傾城買談客物語の妖怪は是だと見とめをつけるのだが」
② 見通し。予測。あて。
※歌舞伎・舛鯉滝白旗(閻魔小兵衛)(1851)序幕「どうと言って見留(ミトメ)も付かねえ」
③ 「みとめいん(認印)」の略。
※虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一六「朱印が見える。『見留(ミトメ)ぢゃないか』」

したため【認】

〘名〙 (動詞「したためる(認)」の連用形の名詞化)
① 整理すること。処理。処置。また、とりしまること。
※源氏(1001‐14頃)蜻蛉「後のしたためなども、いとはかなくしてけるを」
② 用意すること。準備。支度。
※源氏(1001‐14頃)夕霧「今宵しもあらじと思ひつる事どものしたため、いと程なくきはきはしきを」
③ 食事をすること。食べること。食事。
※平治(1220頃か)下「景澄常にしたためしけるに、下人と一所にありて、あへて人にみせざりしかば」

したたま・る【認】

〘自ラ四〙
① 整理される。よく整う。治まる。
※大鏡(12C前)四「この殿御うしろみもし給はば、天下の政(まつりごと)はしたたまりなん」
② 仕上がる。完成する。
※古今著聞集(1254)六「右の楽は、けふしたたまりぬ」

したた・む【認】

〘他マ下二〙 ⇒したためる(認)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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