デジタル大辞泉 「貴方」の意味・読み・例文・類語 あ‐な‐た【貴=方】 [代]《「彼方あなた」から》二人称の人代名詞。1 対等または目下の者に対して、丁寧に、または親しみをこめていう。「貴方の考えを教えてください」2 妻が夫に対して、軽い敬意や親しみをこめていう。「貴方、今日のお帰りは何時ですか」[補説]現代語では敬意の程度は低く、学生が先生に、また若者が年配者に対して用いるのは好ましくない。「貴男」「貴女」と書くこともある。[類語]お宅・汝・貴方様・あんた・君・おまえ・貴様・てめえ・おのれ・我・うぬ・そなた・お主・其方・そっち あんた【貴=方】 [代]《「あなた」の音変化》二人称の人代名詞。「あなた」よりもくだけた感じの語。「あたしも―がほんとに好き」〈木下順二・夕鶴〉[類語]貴方あなた・お宅・汝・貴方様・君・おまえ・貴様・てめえ・おのれ・我・うぬ・そなた・お主・其方そちら・そっち き‐ほう〔‐ハウ〕【貴方】 [名]相手を敬って、その住所・住居をいう語。[代]二人称の人代名詞。男性が同等の相手を敬っていう語。現在では、多く文書などで用いられる。貴君。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「貴方」の意味・読み・例文・類語 あんた【貴方】 〘 代名詞詞 〙 ( 「あなた」の変化した語 ) 対称。① 近世後期、上位者に用いた。最初は遊里で用いられ、のち一般化した。[初出の実例]「雪枝(せっし)さん、あんたはこねへだの京町のしわくちゃをおききなせへやしたかへ」(出典:洒落本・北廓鶏卵方(1794))② 現代、多く下位者に用いる。東京では卑俗な言い方であるが、関西では、親愛の気持を込めていう。[初出の実例]「貴女(アンタ)の兄さんも、私も元は先祖が一つで」(出典:塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉三)貴方の補助注記明治以降、関西では対等以上の親愛な関係で使われ、「あんたはん」「あんさん」などのかたちもある。 き‐ほう‥ハウ【貴方】 [ 1 ] 〘 名詞 〙 相手を敬って、その住む場所や住居をいう語。[初出の実例]「春始御悦、向貴方先祝申候畢」(出典:庭訓往来(1394‐1428頃))[ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 対称。同等の相手に用いる敬称。男性が用いる。貴公。貴殿。貴君。[初出の実例]「旧好其の故も候へば、混(ひたす)ら貴方(キハウ)を憑申にて候」(出典:太平記(14C後)三六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by