とぎ【伽】
〘名〙
①
話し相手をしてつれづれを慰めること。
退屈を慰めること。また、その人。
※九冊本宝物集(1179頃)六「
大王のかくておこなひ給ふ事、希代の事也。我、御
とぎつかまつるべし」
②
寝所に侍ること。添臥しすること。
寝室での
相手をすること。また、その人。
※毛利家文書‐(年月日未詳)(
室町)毛利隆元覚書「伽にね候時、莚敷ましき事」
③
看病すること。介抱すること。看護すること。また、その人。
※
歌舞伎・
幼稚子敵討(1753)二「此中旦那殿がきつふ起った折に、常住の事じゃによって、妹のお才を伽に遣って置いたが」
※
徳川実紀‐寛永五年(1628)九月一二日「御勘気蒙りし山口備前守重政は〈略〉御ゆるしありて、修理亮と改め、もとのごとく
御伽に加へらる」
※
良人の
自白(1904‐06)〈
木下尚江〉前「明る日一晩お伽
(トギ)をして、其の
翌朝、未だ日の出ぬ間
(うち)に
葬式は営まれた」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「伽」の意味・読み・例文・類語
とぎ【×伽】
1 退屈をなぐさめるために話し相手をすること。また、その人。「老人の伽をする」
2 病人の世話をすること。看病。
3 通夜。
「明る日一晩お―をして」〈木下尚江・良人の自白〉
4 「御伽衆」に同じ。
5 寝所での相手をすること。また、その人。
「旅人衆の―でもして」〈滑・膝栗毛・三〉
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