デジタル大辞泉 「然も」の意味・読み・例文・類語 しか‐も【▽然も/×而も】 《副詞「しか」+係助詞「も」から》[接]1 前述の事柄を受けて、さらに別の事柄を加えるときに用いる。その上。「あの方は私の恩師で、―命の恩人だ」2 前述の事柄を受けて、それに反する帰結を付け加えるときに用いる。それなのに。それでも。「あれだけ練習して、―勝てなかった」[副]そんなにまでも。「三輪山を―隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや」〈万・一八〉[類語](1)さては・その上・この上・また・かつ・かつまた・なおかつ・おまけに・加うるに・のみならず・しかのみならず・そればかりか・それどころか・糅かてて加えて・同時に・更に・今・あと・なお・まだ・もっと・より・なおさら・ますます・一層・一段と・余計・弥いやが上に・いよいよ・も少し・もう少し・ずっと・あまつさえ・それに・今一つ・もう一つ・いまいち・今少し・もそっと・ぐっと・ぐんと/(2)それでも・なおかつ さ‐も【▽然も】 [副]《副詞「さ」+係助詞「も」から》1 そうも。そのようにも。「然もあろう」2 確かにそれに違いないと思われるさま。いかにも。「然もうれしそうな顔をする」3 まったく。実に。「あはれ、―寒き年かな」〈源・末摘花〉[類語]さもさも・そのよう・そんな・そういう・そう・そうした・然様さような・それほど・然しかく・余り・満更・必ずしも・あながち・一概に・さして・さしたる・さほど・さまで・大して・なかなか・取り立てて・別段・さのみ・さしも・これほど・どれほど・いかほど・何ほど・それくらい・これくらい・このくらい・こればかり 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「然も」の意味・読み・例文・類語 さ‐も【然も】 〘 副詞 〙 ( 副詞「さ」に助詞「も」が付いてできたもの )① 副詞「さ(然)①」を強めたいい方。そのようにも。その通りにも。[初出の実例]「かの北の方の御おとうと九君を、やがてえたまはむとなんおぼしけるを、なにかは、さもと親はらからもおぼしたりけるに」(出典:大和物語(947‐957頃)九四)「女思ひも不寄ねば、然(さ)も心も不得で有るに」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九)② 副詞「さ(然)②」を強めたいい方。いかにも。まったく。実に。[初出の実例]「この大夫の、さもふつつかにみゆるかな」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)「入道殿によのうつりしほどは、さもむねつぶれて、きよきよと覚はべりしわざかな」(出典:大鏡(12C前)五)③ 程度のはなはだしいことを示す。とても。非常に。[初出の実例]「さもめづらしからん奏でを見ばや」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)「Samo(サモ) ヲモシロイ」(出典:日葡辞書(1603‐04)) しか‐も【然も・而も】 [ 1 ] 〘 副詞 〙 そのように、そんなにもまあ、などの意を表わす。感動的な気持が強い。[初出の実例]「三輪山を然毛(しかモ)隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや」(出典:万葉集(8C後)一・一八)[ 2 ] 〘 接続詞 〙 先行の事柄を受けて、後続の事柄を付け加える意を表わす。それに加えて。それにもかかわらずなおその上に。それでもなお。[初出の実例]「実に拠りて而(しかモ)言といふは具に内院を造る」(出典:彌勒上生経賛平安初期点(850頃))「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」(出典:方丈記(1212))然もの補助注記接続詞の用法は、漢文の訓読において、「然」「而」「爾」を「しかも」と訓読したところから生じた。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by