デジタル大辞泉
「然も」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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さ‐も【然も】
- 〘 副詞 〙 ( 副詞「さ」に助詞「も」が付いてできたもの )
- ① 副詞「さ(然)①」を強めたいい方。そのようにも。その通りにも。
- [初出の実例]「かの北の方の御おとうと九君を、やがてえたまはむとなんおぼしけるを、なにかは、さもと親はらからもおぼしたりけるに」(出典:大和物語(947‐957頃)九四)
- 「女思ひも不寄ねば、然(さ)も心も不得で有るに」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九)
- ② 副詞「さ(然)②」を強めたいい方。いかにも。まったく。実に。
- [初出の実例]「この大夫の、さもふつつかにみゆるかな」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- 「入道殿によのうつりしほどは、さもむねつぶれて、きよきよと覚はべりしわざかな」(出典:大鏡(12C前)五)
- ③ 程度のはなはだしいことを示す。とても。非常に。
- [初出の実例]「さもめづらしからん奏でを見ばや」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
- 「Samo(サモ) ヲモシロイ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
しか‐も【然も・而も】
- [ 1 ] 〘 副詞 〙 そのように、そんなにもまあ、などの意を表わす。感動的な気持が強い。
- [初出の実例]「三輪山を然毛(しかモ)隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや」(出典:万葉集(8C後)一・一八)
- [ 2 ] 〘 接続詞 〙 先行の事柄を受けて、後続の事柄を付け加える意を表わす。それに加えて。それにもかかわらずなおその上に。それでもなお。
- [初出の実例]「実に拠りて而(しかモ)言といふは具に内院を造る」(出典:彌勒上生経賛平安初期点(850頃))
- 「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」(出典:方丈記(1212))
然もの補助注記
接続詞の用法は、漢文の訓読において、「然」「而」「爾」を「しかも」と訓読したところから生じた。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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