又(読み)マタ

デジタル大辞泉 「又」の意味・読み・例文・類語

また【又/×亦/▽復】

[副]
1 前にあったことがもう一度繰り返されるさま。ふたたび。「あした―来ます」「いつか―お話を聞かせてください」「―失敗した」
2 ほかのものと同じ状態にあるさま。ひとしく。同じく。「息子も―父親と同様、学者だ」
3 そのものと別であるさま。「忙しいから―にしてくれ」「―の機会」
4 さらに別の事柄がつけ加わるさま。その上に。「秋は―収穫の季節でもある」
5 驚きや疑問の気持ちを表す。まったく。それにしても。「―えらい失敗をしたものだ」「―なんときれいな花だ」
[接]
1 事柄を並列・列挙するときに用いる。ならびに。「彼は、英語もドイツ語も、―フランス語も話せる」
2 さらに別の事柄をつけ加えるときに用いる。その上。「おもしろいだけでなく、―役に立つ」「医者であり、―文学者でもある」
3 並列・列挙した事柄のうち、どれを選択してもいいときに用いる。あるいは。または。「行ってもいいし、―行かなくてもいい」
[接頭]名詞に付いて、間接である意を表す。「―聞き」「―貸し」
[類語]あまたたび・たびたび・何度も・よく・しばしば・ちょくちょく・往往・ちょいちょい・しきり・しょっちゅう・幾度・頻繁・頻頻・しげしげ・足繁く・再び・重ねて・再度・再三・再三再四・再再・又又・又も・またもや・二度と・二度と再び・更に・且つ・それに・その上・この上・しかも・あまつさえ・かつまた・なおかつ・おまけに・加うるに・のみならず・しかのみならず・そればかりか・それどころか・糅かてて加えて・同時に・まして・なおさら・いわんや・余計・一層・もっと・ますます・いよいよ・より・も少し・もう少し・ずっと・なお・一段・弥いやが上に・数段・段違い・層一層・しのぐ・もそっと・今少し・ぐんと・ぐっと・うんと・だいぶ・余程・遥か・ひとしお・うたた・尚尚なおなお・尚なお以て・更なる・ひときわ・いや増す・さては・さなきだに

まった【▽又】

[接]「また」を強めていう語。そのうえ。さらに。
「―あのさぶが身の上を言うて聞かさう」〈虎寛狂・夷毘沙門〉

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精選版 日本国語大辞典 「又」の意味・読み・例文・類語

また【又・亦・復】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙
    1. ① 同じ行為、状態がもう一度出現するさまを表わす語。再び。もう一度。
      1. [初出の実例]「本毎(もとごと)に 花は咲けども 何とかも 愛(うつく)し妹が 磨陁(マタ)咲き出来ぬ」(出典:日本書紀(720)大化五年三月・歌謡)
    2. ② 一つの状態が他の状態と類似、あるいは一致すると認める気持を表わす語。同様に。同じく。
      1. [初出の実例]「たてばたつゐればまたゐるふく風と波とは思ふどちにやあるらん」(出典:土左日記(935頃)承平五年一月一五日)
    3. ③ 一つの状態の他に、もう一つ別の、類似、あるいは対立する状態のあり得ることを認める気持を表わす語。ほかに。さらに。他方。
      1. [初出の実例]「思ひめぐらせば、なほ、家路と思はん方は、又なかりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
    4. ④ 「…また…」の形で同じ名詞を受けて、どこまで行っても、いつまでたってもその物がずっと続くさまを表わす。
      1. [初出の実例]「山また山 何れの工か青巖の形を削り成せる〈大江澄明〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
    5. ⑤ 疑問文に用いて、事態をいぶかしがる気持を強調する語。一体全体。
      1. [初出の実例]「更(マタ)滅罪の方便有りや否や」(出典:三国伝記(1407‐46頃か)一一)
    6. ⑥ 一つの評価・判断を強調して示す語。まったく。特に。
      1. [初出の実例]「理外の奇縁なれば、その気を感じて子を産こと亦(マタ)なしと誣(しひ)がたし」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)残)
  2. [ 2 ] 〘 接続詞 〙
    1. ① 並列的な、または選択的な関係にある事柄を列挙することを示す。ならびに。あるいは。または。
      1. [初出の実例]「萩の花尾花葛花瞿麦(なでしこ)が花女郎花(をみなへし)又(また)藤袴朝貌が花」(出典:万葉集(8C後)八・一五三八)
      2. 「御送り迎への人の衣の裾堪へがたくまさなきこともあり。又、ある時は、えさらぬ馬道の戸をさしこめ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    2. ② 前の事柄に後の事柄が添加されることを示す。その上。さらに。そればかりでなく。
      1. [初出の実例]「霜のいとしろきも、またさらでもいと寒きに」(出典:枕草子(10C終)一)
    3. ③ ⇒さてまた

又の補助注記

接続詞「また」の成立は、漢文訓読において、「且」「又」「亦」「復」を「マタ」と訓読したことによると考えられている。

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普及版 字通 「又」の読み・字形・画数・意味

又
常用漢字 2画

(旧字)
2画

[字音] ユウ(イウ)
[字訓] また・ふたたび・たすける

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
右の手の形で、右の初文。〔説文〕三下に「手なり。象形。三指なるは、手の列多きも、略して三にぎざるのみ」とある。左向の字は、左の初文。右は後起の字で、祝の器である口((さい))をもつ形。左も後起の字で、呪具である工をもつ形。はのち副詞のまた、動詞の佑助の意に用い、左右の字には用いない。金文ではを左右の右、有無の有、保有・敷有の有、また佑助の佑、侑薦の侑に用いる。〔詩、小雅、小宛〕「天命(ふたた)びせず」、〔儀礼、燕礼〕「之れに命ず」は復の意、〔礼記、王制〕「王三たびす」は宥(ゆる)す意である。

[訓義]
1. て、みぎのて、みぎ。
2. たもつ、やすんずる、ゆるす。
3. また、さらに、ふたたび。
4. たすける、やしなう。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 マタ・サラニ・テ・アヤマル・スクル・ヲサム

[部首]
〔説文〕に右・(父)・・曼・尹・(及)・・友など二十八字と重文十六字を属する。(史)・(支)・攴(ぼく)などの各部も、に従う。右は祝、は斧、(そう)は中の火、曼(まん)は頭布を掲げる。尹(いん)は呪杖をもつ、は後ろより人の裾をもつ、(せい)は呪獣の祟(すい)(たたり)をもって祓う、友は兄弟相佑助することをいう。

[声系]
〔説文〕に(有)・・尤を声とするが、は肉をもつ形で会意、尤は呪獣の伏する形で象形字である。

[語系]
・右・佑・(祐)・hiuは同声。卜文・金文において、をまたそれぞれの字義に用いており、みなより分化した同系の語である。

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