グアテマラ(国)(読み)グアテマラ

百科事典マイペディア 「グアテマラ(国)」の意味・わかりやすい解説

グアテマラ(国)【グアテマラ】

◎正式名称−グアテマラ共和国Republic of Guatemala。◎面積−10万8889km2。◎人口−1507万人(2012)。◎首都グアテマラGuatemala(94万人,2002)。◎住民−マヤ系先住民と混血(ラディーノ)がほとんど。◎宗教−カトリック80%,プロテスタント19%。◎言語−スペイン語(公用語)が大部分,ほかにキチェ,カクティケルなどマヤ系言語。◎通貨−ケツァルQuetzal。◎元首大統領,ジミー・エルネスト・モラレス・カブレラJimmy Ernesto Morales Cabrera(2016年1月就任,任期4年,再選禁止)。◎憲法−1985年5月発布,1986年1月発効。◎国会−一院制(定員158)。最近の選挙は2015年9月。◎GDP−390億ドル(2008)。◎1人当りGDP−2640ドル(2006)。◎農林・漁業就業者比率−44.2%(2003)。◎平均寿命−男66.7歳,女73.7歳(2007)。◎乳児死亡率−25‰(2010)。◎識字率−74%(2008)。    *    *中米の共和国。西部の太平洋岸は狭い低地をなし,背後に火山地帯が広がる。最高峰はタフムルコ山(4210m)。北部はユカタン半島の一部をなす丘陵地と低湿な平野。東部はカリブ海に臨む。熱帯にあるが,山地の気候は温暖。住民の2分の1強がインディオで,残りのほとんどがラディーノと呼ばれる混血ないし白人である。農業が主で,コーヒー,バナナ,砂糖が主要輸出品。 かつてマヤ文明の栄えた地であるが,1524年以来スペイン植民地となった。1821年メキシコ帝国の一部として独立し,1823年中央アメリカ連邦を結成,1838年単独の共和国として独立したが,中央アメリカの中心的位置を占める。19世紀後半バナナ栽培が拡大し,1904年米国のユナイテッド・フルーツ社(現チキータ・ブランズ・インターナショナル社)が進出してバナナ栽培が始まった。1931年―1944年ウビコの独裁体制が続くが,1950年に選出されたハコボ・アルベンス・グスマン大統領が農地改革を始め,ユナイテッド・フルーツ社の所有地を接収すると,1954年米国に支援された反革命軍が侵攻して政権を倒した。以後,モント将軍の軍事独裁政権が続き,1986年民政に復帰したが,軍の影響力は依然として強い。1960年代から左翼ゲリラの運動が活発になり,政府軍との戦闘などで双方に多数の死者を出してきたが,四つのゲリラ組織を統合したグアテマラ民族革命連合(1982年発足)は政府との間で1996年合意に達し,政党として活動することとなった。1999年12月,内戦後初の大統領選挙で,モント党首の率いる共和戦線の候補アルフォンソ・ポルティジョが選出された。旧ゲリラ勢力は新国家同盟を結成してアルバロ・コロムを候補としたが,同年11月に行われた第1回投票で第3位と敗退した。1992年先住民の人権擁護運動家リゴベルタ・メンチュがノーベル平和賞を受賞した。2007年9月の選挙では中道左派の国民希望党が勝利,同年の大統領選挙では同党率いるコロン決選投票の末,大統領に当選した。2011年9月の大統領選挙ではペレス・モリーナ候補が当選した。2015年10月の大統領選挙ではモラレス候補が当選,大統領に就任した。

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