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デング熱 デングねつ dengue fever

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

デング熱
デングねつ
dengue fever

カが媒介するウイルスによって感染する,主として熱帯地方に発生する感染症。4~8日の潜伏期ののち急激に発熱し,結膜充血,関節痛,筋肉痛,白血球減少を示し,7~10日程度の経過で回復する。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

デング熱

ネッタイシマカやヒトスジシマカなどのやぶ蚊がウイルスを媒介する感染症で、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹などの症状が現れる。デングウイルスを持っている蚊に刺された人のうち、刺されてから3~7日(長くても15日)を経て約2割が発症。大半は重症化せず、約1週間後には体内からデングウイルスが消失し回復する。ただし、発症者の1~5%は出血症状などが出て重症化することが知られている。適切な治療が行われれば、致死率は重症者の1%程度である。したがって死亡のリスクは、デングウイルスを保菌する蚊に1万人が刺された場合に、死亡者が1人という計算になる。
世界的に見ると、近年は媒介する蚊の生息域である熱帯、亜熱帯の国々で流行している。日本でも戦時中に南方戦線から持ち込まれて流行したことがあり、戦後は流行地域からの帰国者が発症する例が確認されていた。ヒトからヒトへは感染しないため、感染が拡大することはなかったが、2013年に外国人旅行者が日本で感染したと疑われる例が発生したのに続き、14年夏には海外渡航歴のない日本人の患者が発生。東京都内のいくつかの公園で蚊に刺されたことが原因と見られ、東京都は蚊の駆除などの予防策を実施。中でも代々木公園は保菌した蚊が広範囲で見つかったことから8割のエリアを閉鎖した。
14年10月15日現在での国内感染者は159名。厚生労働省の統計によれば、感染したと考えられる場所で最も多いのが代々木公園で127名、次いで新宿中央公園の11名となっている。
予防ワクチンはないため、腕や足など蚊に刺されやすい部位をさらさない、虫よけスプレーを使うなどして蚊に刺されないようにするのが最も効果的な予防策となる。治療薬はなく、発症した場合は発現した症状に応じて対症療法行われる。なお、ヒトスジシマカは卵で越冬するが、卵を通じて次世代の蚊にデングウイルスが伝播した例はこれまでにない。
国立感染症研究所では今回の流行より以前の00年の時点ですでに、媒介する蚊が宮城県全域、秋田県の一部に生息していることを確認しており、10年には青森県八戸市でも見つかっている。

(石川れい子 ライター/2014年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

デング熱

デングウイルスが起こす感染症。熱帯地方に多い。症状は発熱や頭痛、筋肉痛など。人から人へ直接はうつらず、患者からウイルスを含む血を吸った蚊が別の人を刺すことで感染が広がる。潜伏期間は2~14日。症状が出ないこともある。多くは1週間ほどで回復する。発症を防ぐワクチンや、特効薬はない。症状を和らげる対症療法が中心になる。 (写真はヒトスジシマカ、米疾病対策センター提供)

(2015-11-07 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

デング‐ねつ【デング熱】

dengue》デングウイルスによって起こる熱帯性の感染症。ネッタイシマカヒトスジシマカなどにより媒介。高熱、目の充血、関節痛・筋肉痛などが現れ、四肢に発疹(ほっしん)を生じる。感染症予防法の4類感染症の一。

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百科事典マイペディアの解説

デング熱【デングねつ】

主として熱帯地方に発生するウイルス性伝染病。初感染時は発熱,筋・関節痛,白血球減少などを主症状とする。再感染すると重症の出血熱,ショック状態をひき起こす。ネッタイシマカによって媒介される。

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家庭医学館の解説

でんぐねつ【デング熱 Dengue Fever】

[どんな病気か]
 蚊(か)が媒介(ばいかい)するデング熱ウイルスの感染によっておこる熱帯伝染病です。
 常在するのは、東南アジアベンガル湾アラビア海・紅海の沿岸、メキシコ湾カリブ海沿岸の熱帯、亜熱帯の国々ですが、高温の季節に温帯圏に侵入することがあって、日本の大阪や長崎で大流行したこともあります。
[症状]
 潜伏期間は、ふつう5~7日です。
 寒け、ときに震えをともなって急に高熱が出ますが、3日くらいで急に37℃台に解熱したかと思うと、1日おいて再び39℃台に上昇し、2日おいて解熱するというM字型の熱型を示します。発病前後から強い頭痛、全身の関節や筋肉の痛みを感じ、目が充血(じゅうけつ)し、のども赤くなって痛むことがあります。いちど下がった熱が再上昇するころ、はしかに似た発疹(ほっしん)が四肢(しし)と躯幹(くかん)に3~5日間現われ、くび、わきの下、もものつけ根などのリンパ節(せつ)が腫(は)れます。
 以上がこの病気に初めてかかったときの症状で、古典型といいます。
 再感染すると、発病後数日して、免疫反応(めんえきはんのう)によって著名な出血傾向が現われるデング出血熱、またはショックをともなうデング・ショック症候群という病型になります。
[治療]
 特効薬はありません。インフルエンザと同じように、熱のある間は安静にし、頭痛その他の痛みには冷湿布(れいしっぷ)や鎮痛薬などの対症療法がたいせつです。
 ただし、デング出血熱やデング・ショック症候群の場合は、3~6%の人が死亡します。
[予防]
 予防ワクチンがないので、航空機による病人や蚊の侵入を防ぐことがたいせつです。南方からの帰国者で、感染の疑いのある人は、2週間は発熱に注意し、ウイルスを保有するカをつくらないために、カに刺されないように注意します。

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世界大百科事典 第2版の解説

デングねつ【デング熱 dengue】

主としてネッタイシマカAedes aegyptiによって媒介されるウイルスによって起こる感染症。ウイルスは長さ15~33nmのフラビウイルスで,潜伏期5~8日の後,突然の高熱,悪寒,激しい頭痛,背や四肢の疼痛で発症する。とくに筋痛や関節痛がひどいために骨折熱breakbone feverとか,関節痛によって〈気どった〉歩き方になるため〈だて者熱dandy fever〉などともいわれる。発熱は2~3日続き,いったん下熱した後,2日ほどして再び発熱する2相型を示し,数日後に分利下熱(大量の発汗を伴って急速に下熱すること)するが,病型によっては2相型を示さないものもある。

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大辞林 第三版の解説

デングねつ【デング熱】

デング熱ウイルスによる感染症。蚊により媒介され,熱帯・亜熱帯地方に多い。発熱,激しい頭痛・関節痛・筋肉痛,結膜充血,紅疹が見られる。

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知恵蔵miniの解説

デング熱

デングウイルスが感染することにより起こる急性の熱性感染症。同ウイルスを宿した蚊に刺されることで感染する。主たる媒介蚊はネッタイシマカ。東南アジア・南アジア・中南米など熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、世界で年間約1億人がデング熱を発症している。デング熱は、2〜15日の潜伏期間を経て突然の高熱で発症し、顔面紅潮・頭痛・筋肉痛・全身倦怠(けんたい)感などの初期症状を起こす。発症後3~4日で胸部などから発疹が出始め四肢や顔面にまで及ぶ。通常1週間程度で回復するが、まれに血漿(けっしょう)漏出と出血などを主症状とするデング出血熱に移行することがある。デング出血熱は世界で年間約25万人が発症しており、この場合、適切な治療を行わないと死に至ることもある。日本では、海外で感染して帰国した例が年々増加傾向にあり、2013年の患者数は249名だった。14年8月27日、69年ぶりに国内での感染者1名が、翌日には2名の感染が報告された。東京・代々木公園で、デング熱ウイルスを持ったヒトスジシマカに刺され感染したのではないかとみられている。

(2014-8-29)

出典|(株)朝日新聞出版発行
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デング熱
でんぐねつ
dengue fever

デングウイルスによる急性熱性疾患で、ネッタイシマカまたはヒトスジシマカによって媒介される。デングウイルスはアルボウイルスB群(フラビウイルス科フラビウイルス属)に属し、直径25~40ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の球状粒子で、中心に1本鎖のRNAリボ核酸)をもつ。臨床的には古典型と出血型に分けられる。古典型の潜伏期は4~8日で、急激に発病し、悪寒とともに全身の筋肉および関節痛を訴え、39~40℃の高熱がみられる。このとき初期発疹(ほっしん)をみることもある。発病後3日目には一時症状が軽快し、発病後5、6日目にふたたび高熱が現れ、デング熱発疹が出現する。出血型は顕著な出血性素因およびショック症状を招来することに特徴がある。発病および初期の経過は古典型と差異はないが、発病数日後に皮膚に出血斑(はん)が生ずるほか、鼻出血や吐血をみることもある。デング熱の分布は東南アジアと中央および南アメリカで、日本では1942年(昭和17)の長崎に始まる大流行が有名で、44年まで毎年流行がみられた。[松本慶蔵・山本真志]

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