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ハミルトンの原理 ハミルトンのげんりHamilton's principle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハミルトンの原理
ハミルトンのげんり
Hamilton's principle

力学における変分原理の1種。時刻 t1t2 の間の実際の運動経路は同じ両端点を通る経路のなかでラグランジュ関数 L の時間積分 が最小になるという原理。これからラグランジュの運動方程式が導かれる。全エネルギーが一定な経路だけに限って変分をとれば最小作用の原理に一致する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ハミルトンのげんり【ハミルトンの原理 principle of Hamilton】

古典力学において質点,または質点系の運動を定める法則,すなわち運動法則は質量×加速度=力というニュートンの第2法則であり,これを質点の座標に関する2階微分方程式と考えて一定の初期条件のもとに解くならば質点の軌道が定められる。このように運動方程式そのものが運動法則をもっとも直接に表すのであるが,19世紀になって,これを別な形に述べることによってより統一的な原理にまとめる試みが次々と現れ,それを軸としてニュートン力学は解析力学にまとめられるようになった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハミルトンの原理
はみるとんのげんり
Hamilton's principle

イギリスの数学者・物理学者のW・R・ハミルトンが1834年に与えた力学の原理。力学系の実現される運動は、運動の経過全体に関するある量が極値になっているという条件によって特徴づけられていることを示した原理。この原理に基づいて運動を決定できるが、それはニュートンの運動方程式によるものと同等である。後者は微分形式で時々刻々の運動をその直前の状態から因果的に決定するのに対し、この原理は運動全体にわたる積分量に対して条件づけるので、あたかも運動が合目的的におこっているような表現になっているのが特徴である。
 力がポテンシャルから導かれる場合、運動の始まりと終わりの時刻の間の経路に沿ってラグランジュ関数の値が定まりその時間積分が得られる。経路を仮想的に微少変化させるとこの積分値も変わる。ハミルトンの原理は、これらの積分値が実現される運動に対して極値をとるということを述べた変分原理である。変分の際、独立な変分量のとり方によってラグランジュやハミルトンの方程式を導くことができ、また力学以外の物理法則もこの形に書かれるものがあり、包括的な定式化と考えられる。[永田 忍]

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世界大百科事典内のハミルトンの原理の言及

【最小作用の原理】より

…質点はその作用積分が各時刻において最小となるような軌道を描くという力学原理。解析力学の枠組みにおけるもっとも一般的な形に述べられる運動法則,すなわちハミルトンの原理が現れる以前,直観的に運動法則を述べる試みとして,1744年P.L.M.deモーペルテュイによって最初に提出された。ここで作用積分とは,質点の運動量p(t)をその描く軌道q(t)に沿って積分する,のことを意味していた(tは時間)。…

※「ハミルトンの原理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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