コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ヒンドゥー教美術 ヒンドゥーきょうびじゅつ Hindu art

3件 の用語解説(ヒンドゥー教美術の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒンドゥー教美術
ヒンドゥーきょうびじゅつ
Hindu art

主としてインドの後グプタ朝 (5~6世紀) 以降,インド各地に建造されたヒンドゥー教の神々を祀る石窟,岩石,石積の諸寺院と,その内外の壁面を飾る神像および装飾彫刻をさす。ヒンドゥー教美術の萌芽は古く,紀元前にまでさかのぼる説やインダス文明との関連を指摘する説もある。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ヒンドゥーきょうびじゅつ【ヒンドゥー教美術】

ヒンドゥー教の思想に基づき,諸神を賛嘆するために,あるいは儀礼上の必要から,また教化の手段として制作された美術で,広義にはヒンドゥー教に先行するバラモン教の美術や非アーリヤ人民間信仰の美術をも含み,インドおよびその周辺地域で行われた。バラモン教の供犠(ヤジュニャ)では神像も神殿も必要としないため,造形美術の展開する余地はなかったが,ブラフマー(梵天),インドラ(帝釈天),スーリヤ(日天)などのバラモン教の神々は仏教の守護神として紀元前から造像されている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒンドゥー教美術
ひんどぅーきょうびじゅつ

7、8世紀を頂点に、インド全域に広まって現代まで続いているヒンドゥー教に伴う美術表現。仏教、イスラム教とともにインド美術史のなかで大きな比重を占めている。
 本格的なヒンドゥー教美術の出現は、インドで仏教美術が衰退期に入るグプタ朝(4~6世紀)後半からで、以後13世紀ごろまでの数百年間がその発展期である。イスラム軍の侵攻により、北インドでは13世紀以降みるべき遺構はないが、南インドでは近代に至るまで美術活動が続けられ、インド以外でもパキスタン、アフガニスタン、カンボジア(アンコール・ワットがもっとも著名)などに遺構がみられる。
 仏教の真髄は究極には行動を抑制し、冥想(めいそう)によって内に沈潜し、仏の心に近づこうとするところにあり、インドの仏像にはこうした精神を表現したものが多いが、ヒンドゥー教の神像は静止の状態もあるがむしろ行動的で、外に向かって神格を発揮する姿態を表現したものが大部分である。ヒンドゥー教の神像にみられる多面多臂(たひ)の表現も、神々の力、すなわち自然力の外に向かっての働きを具体的・現実的な形によって示すためである。また、ヒンドゥー教では自然力を創造、保存、破壊の三つとみなし、それぞれにブラフマー、ビシュヌ、シバの3神をあてるが、さらにこの3神は自己の力を最大に発揮させるために、さまざまな異なる姿になって活躍する。この3神の変身がさらに数多くの神々を生むため、造型的にもヒンドゥー教の彫像は多様にして複雑な様相を示すようになった。
 遺品からみた初期ヒンドゥー教の神像は、古代インドの仏教美術のなかで、ヤクシャ、ヤクシー、ナーガ(大蛇)などが仏陀(ぶっだ)の守護神として現れる。いずれも土着の民間信仰に起源をもつが、アーリア的なベーダの宗教(バラモン教)によるものにインドラ、スーリヤ(太陽)などがある。そこで、自然のあらゆる事象を神格化するヒンドゥー教は、肉体の力の発現を神の力につながる自然のエネルギーとみなし、そのため肉体をことさら豊満に表現する。ヒンドゥー教美術にみられる男女一対の像をミトゥナ像とよぶが、これは男女の肉体的結合、つまり性的な喜びを単に感覚的なものとみなさず、実体的な神と一体になる宗教的歓喜を体現するものと考えるものであり、エロティシズムにあふれているが、肉体性と精神性が表裏一体をなすものとしてともに肯定される宗教上の特質をよく表している。このインド彫刻の華ともいうべきミトゥナ像が豊富にみられるのは、北インドのカジュラーホの石造寺院群とコナーラクのスーリヤ寺院とである。
 神像と並んでヒンドゥー教美術を代表するのは寺院建築である。本尊を祀(まつ)る神殿のある本殿の上部に、シカラと称する高塔があり、北型のものでは高さ50メートルを超えるものがあるが、南型の寺院では高いシカラをつくらず、多くはピラミッド形の屋根をもつ本殿がつくられる。石窟(せっくつ)寺院では、ヒンドゥー教最古のウダヤギリのほか、ラーシュトラクータ朝(8~10世紀)のエローラ、エレファンタなどのものが知られている。いずれも神像や、神話を題材にした浮彫りでところ狭しと飾られているが、これは、仏教寺院が宗教活動の場であるのに対し、ヒンドゥー教では神々の住居という性格があるためである。[永井信一]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ヒンドゥー教美術の関連キーワードエレファンタ石窟ヒンドゥー教建築ヒンズーヒンズー教ヒンドゥーヒンドゥー至上主義ブリンダーバンヒンドゥー教寺院ヒンドゥー法典マタ(ヒンドゥー教)

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone