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フロン ふろん fluorocarbons

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知恵蔵2015の解説

フロン

フロンは、フルオロカーボン類の日本で命名した総称名であり、CFCHCFCHFC、PFCなど種々の化合物を包括する。クロロフルオロカーボン(CFC)は、天然には存在しない人工の化合物。フレオンともいうが、デュポン社の商品名である。CFCは、メタン分子やエタン分子の水素(H)を塩素(Cl)とフッ素(F)で置換した化合物。不燃、無毒、液化が容易、しかも不活性などの性質を持ち、冷蔵庫クーラーなどの冷媒、半導体を洗浄する溶媒、また噴霧剤として世界中で使用され、1985年の1年間で100万t余り生産されたという報告がある。74年ごろから、成層圏に達したCFCが紫外光により分解して生じた、塩素原子が触媒となってオゾン層を破壊し、皮膚がんの発症が高まることが指摘された。そこで、オゾン層破壊を防止するため、85年のウィーン条約、87年の地球規模での取り組みを定めたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の制定により、指定されたCFC(特定フロン)の国際規制が始まった。その結果、95年には先進国でフロンの生産が中止され、代わりに登場したのが代替フロン。主な代替フロンとしてハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)が製造され、前者は塩素を含まずHとFとC(炭素)からできている化合物で、後者はHとFとClとC(炭素)からできている化合物。特定フロンには様々な種類があり、CFC-11やCFC-113などコード名で区別している。11や113のコードは、一の位の数がFの個数、十の位はHの数(この場合は0)に1を足した数、そして百の位は炭素の総数から1を引いた数を表している。従って、CFC-11はCCl(3)F, CFC-113はCCl(2)FCClF(2)になる。HCFCのオゾン層破壊能はCFC類のそれよりも一般に小さく、HFC類はオゾン層を全く破壊しないが、地球温暖化ガスとして作用する。例えば、二酸化炭素の約5000倍の温室効果を及ぼすHCFCもある。97年12月に京都で開催されたCOP3(3rd session, Conference of the Parties to the UNFCCC、地球温暖化防止京都会議)では、HFC、ペルフルオロカーボン(PFC)や六フッ化硫黄〈SF(6)〉は二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素と共に削減が決まったが、特定フロンとHCFCは対象から外された。日本では、2001年6月にカーエアコン、業務用冷凍・空調機器用フロンの回収・破壊を義務付けたフロン回収・破壊法が成立した。また、05年2月に京都議定書が発効し、日本は08年から5年間で90年の温室効果ガス排出量の6%を削減する義務が課せられた。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

フロン

フルオロカーボンの日本における慣用名。メタンエタンなどの炭化水素水素弗素(ふっそ)塩素置換した化合物の総称。無色・無臭・無毒・不燃性で化学的に安定なので、電気冷蔵庫・クーラーの冷媒スプレーウレタンフォーム発泡剤半導体の洗浄剤などに使用。その一種であるクロロフルオロカーボン(CFC)は大気中に放出されると長い時間をかけて成層圏に達し、そこで紫外線によって分解されてオゾン層を破壊する。そのため使用が規制され代替フロンが登場したが、こちらも二酸化炭素よりも温室効果が高いことがわかり規制の対象となっている。フレオン(商標名)。

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百科事典マイペディアの解説

フロン

冷媒,溶剤,噴霧剤などに使われるメタン,エタンなどのフッ素置換体の総称で,日本における慣用名。最初米国デュポン社からフレオンの商品名で製品化された。多くの場合フッ素以外に塩素を含む。
→関連項目オゾン層保護条約産業公害四塩化炭素自動車リサイクル法西暦2000年の地球大気汚染大気浄化法地球温暖化デオドラント化粧品有機塩素化合物冷媒

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栄養・生化学辞典の解説

フロン

 クロロフルオロカーボン,クロロフルオロ炭素の慣用名.フッ化炭化水素で,冷媒として使われるものの総称.地球環境に大きな影響を及ぼすことから,使用しないようになっている.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

フロン【Flon】

炭化水素のフルオロ置換体であるフルオロカーボン類fluorocarbonに対する日本でのみ用いられている総称名。フレオンFreon(デュポン社の商品名)と呼ばれることもある。フロンには,フッ素と塩素を置換基にもつクロロフルオロカーボン(CFC),フッ素,水素,塩素を含むヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC),フッ素,水素を含むヒドロフルオロカーボン(HFC),すべての水素をフッ素で置換したペルフルオロカーボン(PFC),などがある。

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大辞林 第三版の解説

フロン【flon】

クロロフルオロカーボン、フルオロカーボンの日本での慣用名。

出典|三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フロン
フロン

フルオロカーボン」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フロン
ふろん
flon

塩化フッ化炭化水素の総称。フロン12とフロン22は電気冷蔵庫、ルームエアコン、フロン113は大容量冷房の冷媒に用いられていたが、これらフロンは使用後大気中に放出されると、化学的に安定なため成層圏にまで達し、紫外線によって塩素原子に分解され、これがオゾン層を破壊するといわれ、1987年にその生産・消費量を規制する「モントリオール議定書」が採択され、段階的削減が決定した。日本でもこの議定書に調印、1988年(昭和63)には「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(オゾン層保護法)が制定され、フロン規制が本格化した。フロンのなかでもオゾン層への破壊力の強い特定フロン(フロン11、フロン12、フロン113、フロン114、フロン115)については先進国では1996年までに使用は全廃され、開発途上国でも2010年までに全廃されることになった。また、2001年(平成13)「フロン回収・破壊法」(正称は「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」6月22日公布、法律第64号)が公布され、対象となるフロン類が冷媒として使用されているカーエアコン搭載の自動車や業務用冷凍空調機器を廃棄する場合には、同法に基づき、フロン類の適正な回収と破壊処理の実施等が義務づけられた。
 なお、製造法としてはクロロホルム、四塩化炭素、六塩化エタンなどをハロゲン化アンチモンなどの触媒でフッ化水素と反応させてつくる。

 化学的に安定で、金属を腐食せず、無色無臭、不爆発、不燃性で毒性が低いため、噴霧剤、消火剤、溶媒、液体無水硫酸の希釈剤、ウレタンフォームの発泡剤などに用いられ、フッ素樹脂の原料にもなった。[加治有恒]

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