日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リース(Ludwig Riess)
りーす
Ludwig Riess
(1861―1928)
ドイツの歴史学者で、お雇い外国人。12月1日、西プロシアのドイッチュ・クローネに生まれる。1880年ベルリン大学に入学し歴史学を専攻、著名な歴史学者ランケから写字生として薫陶を受ける。イギリス中世史の史料研究を志していたが、1886年(明治19)日本の帝国大学より教師として招聘(しょうへい)を受け、翌1887年2月に来日、着任する。帝国大学の文科大学に史学科を設置、リースはここで英語を講義した。また国史学科の新設にも意見書を提出、さらに史料編纂掛(へんさんがかり)の方針にも助言するところがあった。1889年教授をはじめ学生を会員とする「史学会」の創立にも尽力し、東大を中心とするアカデミー史学の基礎を確立した。ランケ流の文献実証的な歴史学研究法に基づき、西洋古代より最近世に至る各講義を行い、『史学雑誌』にも多くの論文を発表した。1902年(明治35)8月に帰国したが、帰国後はかならずしも恵まれた地位を得なかった。1928年12月27日に急逝した。
[松島榮一 2018年8月21日]
[参照項目] |
|