七転び八起き(読み)ナナコロビヤオキ

デジタル大辞泉 「七転び八起き」の意味・読み・例文・類語

ななころび‐やおき【七転び八起き】

七度転んで八度起き上がる意から》多く失敗にもめげず、そのたびに奮起して立ち直ること。転じて、人生には浮き沈みが多いことのたとえ。
[類語]浮き沈み浮沈消長起伏栄枯盛衰忍耐強い我慢強い辛抱強い粘り強い押しが強い根強い執念深い気丈夫したたか筋金入り手ごわい打たれ強いしぶとい粘り腰

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「七転び八起き」の解説

七転び八起き

何度失敗しても屈することなく立ち上がることのたとえ。また、人の世の浮き沈みの激しいことのたとえ。

[使用例] 小僧上りの者は、鼻垂時代から厳格な主人の監督の下に、ちょっとの油断なく仕込まれ、〈略〉たとえ中途で事業に蹉跌することがあっても、日頃鍛錬はたちまち勇気を喚起して、元の位置に復することあたかも不倒翁の如くである。七転び八起きということは、実に彼等小僧上りの商人の常態である[相馬愛蔵*私の小売商道|1952]

[使用例] 人は七転び八起きとやら申しまして、悪いあとにはまたよいことが来るものでござります。まあ、お聞きなされませ。いもとさまは数ある客人のなかで、立派なおさむらい様と深いおなじみ……。やがては奥方に御出世なさろうも知れませぬ[岡本綺堂*平家蟹|1912]

[解説] 長い人生には、思わぬ不運に見舞われることもあれば、幸運に恵まれるときもあります。浮き沈みは常に繰り返されるものと思い、たとえどんなに苦境におちいっても、次はまたよいことがあると気を取り直して、再起に取り組む意気込みを感じさせる表現です。七回転んだら七回起き上がればよい理屈ですが、七より多い八をもってくることで、めげずに何度でも立ち上がる強い意志を前面に出し、くじけそうな者を励ましてくれることわざといえるでしょう。
 ちなみに、ことわざの中の数は、多くの場合、数学の数のようにニュートラル(中立的)なものではなく、民俗の中で象徴的な意味を帯びています。「七」は、多いことだけでなく、さまざまなという響きがあり、不吉な影も含まれます。「八」は末広がりで、めでたい数とされ、このことわざも八によって、未来希望につながっているのではないでしょうか。

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