デジタル大辞泉
「上円下方墳」の意味・読み・例文・類語
じょうえんかほう‐ふん〔ジヤウヱンカハウ‐〕【上円下方墳】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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じょうえんかほう‐ふんジャウヱンカハウ‥【上円下方墳】
- 〘 名詞 〙 方形の台の中央に円形の封土を設けた古墳。日本では天智天皇陵が代表的なものであるが、奈良県高市郡明日香村所在の石舞台古墳もその一例と推定される。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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上円下方墳 (じょうえんかほうふん)
古墳の墳形の一つで,上段を平面円形に,下段を平面方形につくった2段築成のものをさす。これまで明確な例がなく,その存在を疑問視する人もいたが,1979年に奈良市山陵町石のカラト古墳が調査され,好例が検出された。版築で築かれた墳丘は下段一辺約13.8m,上段直径約9.2m,総高約2.9mを測り,表面全体に河原石を葺き,内部には凝灰岩製の横口式石槨を納めていた。このほか奈良県石舞台古墳,京都府天智天皇陵古墳など,いずれも終末期の古墳が候補に掲げられてはいるが定かでない。類似の形態の墳墓は,中国では〈方基円墳〉と呼ばれ,戦国時代より営まれているが,それとの関連が推測される。
執筆者:和田 晴吾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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上円下方墳
じょうえんかほうふん
上部が円形,下部が方形の外形をなす古墳。古墳時代の終わり頃 7世紀後半から 8世紀初めにかけてつくられたとみられるが,発掘例は少ない。奈良市と京都府木津川市にまたがる石のカラト古墳,東京都府中市の武蔵府中熊野神社古墳,東京都三鷹市の天文台構内古墳などがある。天智天皇の陵墓と治定されている京都市山科区の山科陵(御廟野古墳)はかつて上円下方墳の典型例といわれたが,調査により円丘部分が八角形であることがわかった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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上円下方墳
じょうえんかほうふん
2段築成の古墳で,平面形が上段は円形,下段は方形のもの。類例は少なく,奈良県石のカラト古墳,静岡県清水柳(しみずやなぎ)北1号墳,埼玉県宮塚古墳などが知られる。7~8世紀の造営と考えられ,1辺20m前後の小型のものが多い。埋葬主体は横穴式石室・石棺式石室などで,清水柳北1号墳では火葬骨を納めたと考えられる石櫃(いしびつ)が発見された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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上円下方墳
じょうえんかほうふん
古墳の一形式
上部は平面円形,下部は平面方形につくられた古墳。実例は少なく,天智天皇陵があげられるが,これも方形部は造営当時のままではないといわれている。
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の上円下方墳の言及
【古墳】より
… 日本の古墳の墳丘は,工法からいえば,土を盛って作った土塚と,石を積みあげた[積石塚]とがある。形態からいえば,規模の小さい[円墳],[方墳]と,大型のものをふくむ[前方後円墳],[前方後方墳]とがあり,特定の時期にあらわれたものとして,前期の[双方中円墳],中期の[帆立貝式古墳],後期の双円墳および[上円下方墳]などがある。また,外形の種類と関係なく,古墳には[周濠]のないものと,周濠をめぐらすものとがある。…
※「上円下方墳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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