仙台市(読み)センダイシ

デジタル大辞泉 「仙台市」の意味・読み・例文・類語

せんだい‐し【仙台市】

仙台

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「仙台市」の解説

仙台市
せんだいし

面積:二三七・〇五平方キロ

仙台平野のほぼ中央、県の中部、北緯三八度、東経一四〇度付近に位置する。明治二二年(一八八九)の市制施行以来、市域の拡張は五次にわたり、東西に二六・九キロ、南北に一八・六キロの広がりをもつ。市北部をいずみヶ岳(泉市)を水源とする七北田ななきた(冠川)がほぼ東流し、岩切いわきり地区で南東に流れを変え、梅田うめだ川を合せて蒲生がもう口で太平洋に注ぐ。河口北東は多賀城市域にも及ぶ仙台港で、同港を越えて宮城郡しちはま町とも接する。岩切地区は北に細く突き出ており、東は宮城郡利府りふ町、北は黒川郡富谷とみや町、西は泉市と接する。西は荒巻あらまき地区・川内かわうち地区などが宮城郡宮城町と接し、同町域を東流する広瀬川は旧仙台城域の辺りで蛇行を繰返しながら南東流し、ほぼ東流する名取川と郡山こおりやま地区で合流、名取市閖上ゆりあげで太平洋に流れ込む。同川と七北田川は海岸線に並行する貞山ていざん堀で結ばれ、市東部はこれらの河川による沖積平野が開けている。市街地の大半は広瀬川周辺に形成された段丘地形上に展開され、段丘面は形成年代の古い順に台原だいのはら段丘・仙台上町せんだいかみまち段丘・仙台中町段丘・仙台下町段丘とよばれる。川内の西、青葉山あおばやま丘陵を鋭くえぐるたつくち峡谷は広瀬川により形成されたもので、最深の八木山やぎやま橋付近では約七〇メートル。八木山の南は名取市と接するが、八木山西方は西および南に市域が延び、名取郡秋保あきう町、柴田郡川崎かわさき町・村田むらた町と接する。県庁所在地のため主要な交通が集まり、鉄道ではJR東北本線・東北新幹線・仙石線・仙山線、道路では国道四号と東北自動車道などであるが、仙台空港は名取・岩沼市域に建設されている。

仙台の地名は古くは千代あるいは千体と称したといわれ、仙台城下開府に際して仙台藩の藩祖伊達政宗により仙台と改められた。近世期は仙台藩六二万石の城下町として発展し、明治以降は県の行政・経済・文化の中心的役割を担ってきた。なお市域は旧宮城郡が大半を占めるが、広瀬川右岸の大部分と六郷ろくごう地区は旧名取郡域。

〔原始〕

旧石器時代の遺跡は広瀬・名取両川の間に張出した青葉山丘陵台地の縁端部に発見されている。山田やまだ地区の山田上やまだうえだい遺跡および長町ながまち地区の富沢とみざわ遺跡はいずれも後期旧石器時代の遺跡で、発掘調査によりナイフ形石器や石核・剥片などが発見されている。縄文時代の遺跡は名取川支流のざる川流域に密集する。富沢の三神峯みかみね遺跡では前期初頭の土器から中期および平安時代にかけての遺物が散見し、縄文前期竪穴住居跡群が発見されている。

仙台市
せんだいし

1988年3月31日:仙台市が泉市、名取郡秋保町を編入
【秋保町】宮城県:名取郡
【仙台市】[変更地名]宮城県
【泉市】宮城県

仙台市
せんだいし

1987年11月1日:仙台市が宮城郡宮城町を編入
【宮城町】宮城県:宮城郡
【仙台市】宮城県

仙台市
せんだいし

1989年4月1日:仙台市が政令指定都市となる
【仙台市】[変更地名]宮城県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仙台市」の意味・わかりやすい解説

仙台〔市〕
せんだい

宮城県のほぼ中央に位置する市。1889年市制。県庁所在地。東は仙台湾に面し,西は奥羽山脈を隔てて山形県に接する。1987年に宮城町,1988年に泉市,秋保町を編入して,1989年政令指定都市。青葉区泉区太白区宮城野区若林区の 5区からなる。東北地方最大の都市で,市の中心街は市域東部の JR仙台駅を中心に開け,各種行政機関,司法機関,教育機関,民間会社の出先機関などがある。慶長5(1600)年伊達政宗が青葉山に青葉城を築城,城下町として発達。国道4号線(陸羽街道〈→奥州街道〉),45号線(仙塩街道),48号線(作並街道),286号線(笹谷街道)が交差し,東北自動車道,東北新幹線,JR東北本線が南北に通り,仙山線,仙石線の起点。交通の一大中心地をなす。仙台市東部には掘込式港湾の仙台港が完成し,工業港から流通基地に変わった。仙台平仙台たんす,埋もれ木細工などの優れた伝統工芸品がある。陸奥国分寺薬師堂,陸奥国分寺跡大崎八幡宮(国宝)などの史跡に富む。8月に行なわれる七夕祭は有名。中央南には秋保温泉,北西部の JR仙山線,国道48号線沿いに鳴合温泉,広瀬川温泉,作並温泉がある。船形山東南麓一帯は船形連峰県立自然公園,南西の名取川上流は二口峡谷県立自然公園に属し,一部蔵王国定公園に含まれる。2011年,東北地方太平洋沖地震に伴う津波により沿岸部が大きな被害を受けた。面積 786.35km2。人口 109万6704(2020)。

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