(読み)カ

デジタル大辞泉 「伽」の意味・読み・例文・類語

か【伽】[漢字項目]

人名用漢字] [音]カ(漢) ガ(呉) キャ(慣) [訓]とぎ
〈カ・ガ〉梵語のカ・ガの音に当てた字。「伽藍がらん閼伽あか頻伽びんが瑜伽ゆが
〈とぎ〉話し相手になること。「お伽話夜伽よとぎ
難読伽羅きゃら

とぎ【×伽】

退屈をなぐさめるために話し相手をすること。また、その人。「老人をする」
病人世話をすること。看病
通夜
あくる日一晩お―をして」〈木下尚江良人の自白
御伽衆おとぎしゅう」に同じ。
寝所での相手をすること。また、その人。
「旅人衆の―でもして」〈滑・膝栗毛・三〉

が【伽】[漢字項目]


きゃ【伽】[漢字項目]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「伽」の意味・読み・例文・類語

とぎ【伽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 話し相手をしてつれづれを慰めること。退屈を慰めること。また、その人。
    1. [初出の実例]「大王のかくておこなひ給ふ事、希代の事也。我、御とぎつかまつるべし」(出典:九冊本宝物集(1179頃)六)
  3. 寝所に侍ること。添臥しすること。寝室での相手をすること。また、その人。
    1. [初出の実例]「伽にね候時、莚敷ましき事」(出典:毛利家文書‐(年月日未詳)(室町)毛利隆元覚書)
  4. 看病すること。介抱すること。看護すること。また、その人。
    1. [初出の実例]「此中旦那殿がきつふ起った折に、常住の事じゃによって、妹のお才を伽に遣って置いたが」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)二)
  5. とぎしゅう(伽衆)
    1. [初出の実例]「御勘気蒙りし山口備前守重政は〈略〉御ゆるしありて、修理亮と改め、もとのごとく御伽に加へらる」(出典:徳川実紀‐寛永五年(1628)九月一二日)
  6. 通夜。
    1. [初出の実例]「明る日一晩お伽(トギ)をして、其の翌朝、未だ日の出ぬ間(うち)葬式は営まれた」(出典良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉前)

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普及版 字通 「伽」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 7画

[字音] カ・ガ・ギャ
[字訓] とぎ

[字形] 形声
声符は加。仏教の音訳語に用いる。梵語のカka kha、ガga ghaにあたる。〔名義抄〕などに「ユタカニ」などの訓があるのは「伽那」ghana(厚い、密なる)の意によるものであろう。

[訓義]
1. ゆたかに。
2. 国語では「とぎ」とよむが、その由来は明らかでない。
3. 茄に通じ、なす。

[熟語]
伽子伽陀・伽那伽耶伽藍伽羅
[下接語]
阿伽・閼伽・僧伽・頻伽・瑜伽

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