(読み)こう

精選版 日本国語大辞典 「項」の意味・読み・例文・類語

こう カウ【項】

〘名〙
① 首のうしろの部分。くびすじ。うなじ。えりくび。
※義経記(室町中か)三「弓手の腕(かいな)をさしのべ、かうを掴んでむずと引き寄せ」 〔荀子脩身
② ある種類に属する、それぞれの事柄。事柄を小分けした一つ一つ事項。特に、法律の箇条書きで、一条の中に行を立てて含まれる叙述。また文章一編の中で小主題を立てて述べられた部分。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五「白爾(ベル)詳慎精密にこの一項(〈注〉ヒトカド)を究察し」
歳入歳出予算決算における区分の一つ。目的別に区分するときに用いる。款(かん)の下、目(もく)の上。〔仏和法律字彙(1886)〕
※会計法(明治二二年)(1889)六条「歳入歳出の総予算は之を経常臨時の二部に大別し、各部中に於て之を款項に区分すべし」
数学で、
(イ)多項式を構成する各単項式。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
(ロ) 数列および級数を構成するおのおのの数、または、式。
(ハ) 比を構成するそれぞれの数。

うな【項】

語素〙 「うなじ(項)」の意を表わす。「うなかみ」「うながける」「うなかぶす」など。

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デジタル大辞泉 「項」の意味・読み・例文・類語

こう〔カウ〕【項】

あるまとまりをもつ事柄をさらに細かく分類したものの、一つ一つ。また、それを記述した文章。項目。法律の箇条書きにおけるじょう下位分類や、辞書の一つ一つの見出しとその解説文などにいう。「別ので詳述する」「憲法第九条第二
予算決算などで、かん下位に分けられる部分。項をさらにもくせつなどに分ける。
数学の用語
多項式を構成する各単項式
数列級数をつくっている各数。
を構成する各量。
首の後ろの部分。くびすじ。
「其―を扼して」〈田口日本開化小史
[類語]一つ一つ個別逐一いちいち

こう【項】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウカウ)(漢) [訓]うなじ うな
首筋。うなじ。「項背
小分けした一つ一つ。事柄。「項目事項条項前項別項要項
数式を組み立てる要素。「移項多項式
[名のり]うじ
[難読]項垂うなだれる

うな‐じ【項】

《「うな(項)しり(後)」の略か》首の後ろ。襟首。
[類語]首筋首根っこ襟首首根

うな【項】

[語素]他の語の上に付いて、首、また首の後ろの部分の意を表す。「うなずく」「うなかぶす」「うなかみ(項髪)」などの形で用いられる。

たて‐くび【項】

くびの後ろの部分。えりくび。うなじ。
「童の―を取りて」〈宇治拾遺・一〉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「項」の意味・わかりやすい解説


こう
term

級数 a0a1+… で各 an のことをいう。特に多項式やべき級数 c0c1xc2x2+… で cnxn のことをいうことが多い。

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世界大百科事典内のの言及

【級数】より

…例えば{1,3,5,7,……},{1,2,4,8,……}は数列であり,これらに対応する級数は,それぞれ1+3+5+7+……,1+2+4+8+……である。数列,関数列または級数を構成する各要素を,その数列,関数列または級数の項という。上の第1の例のように各項とその次の項との差が一定である級数を等差級数arithmetic seriesまたは算術級数といい,第2の例のように各項とその次の項との比が一定である級数を等比級数geometric seriesまたは幾何級数という。…

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