反射(物理)(読み)はんしゃ

百科事典マイペディアの解説

反射(物理)【はんしゃ】

光や音などの波動が一つの媒質から他の媒質との境界面にあたって進行方向を変え,もとの媒質の中を新しい方向へ進む現象。媒質の境界面が波動の波長に比べてなめらかなら反射の法則が成り立ち(正反射),境界面の凹凸が波長程度かもっと大きければ波動はさまざまな方向に向かう(乱反射)。→回折屈折反射波反射率
→関連項目音波光線光沢波動

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

反射(物理)
はんしゃ
reflection

波動または粒子が性質の異なる二つの媒質の境界面に入射し、向きを変えて元の媒質に戻る現象。境界面の凹凸が波動の波長に比べて十分小さい場合の反射を正反射または鏡面反射、波長と同程度またはそれ以上の場合の反射を乱反射または拡散反射という。
 電波、光波、X線などの電磁波が正反射する場合、反射波の進行方向OA′は、境界面の法線HOと入射波の進行方向OAを含む面(入射面)内にあり、AOとA′OはHOの反対側で、かつ∠AOH(入射角)と∠A′OH(反射角)は等しい(参照)。この関係を反射の法則という。乱反射の場合は正反射せず、いろいろな方向に反射する。電磁波のように波の振動方向が伝搬方向に垂直な横波が0度以外の入射角で境界面に入射する場合は、の紙面内で振動する波と、紙面に垂直に振動する波とではようすが異なり、反射波の振幅の大きさに相違が生じる。自然光を入射した場合、反射光は部分的に偏光する。音波のような縦波では、そのまま反射する波については反射の法則が成立する。しかし、入射波が横波や表面波に変換する場合は反射の法則が成立しない。粒子では、境界面での反射が完全に弾性的に行われるとき反射の法則が成立する。光が色紙で反射する場合のように反射率が波長によって異なる反射を選択反射という。金属のように吸収が大きい面で電磁波が反射する場合は、一般に反射率が大きい。また結晶のように周期的な構造をもつ面でこの構造と同程度の波長をもつ、たとえばX線が反射する場合は、いわゆるブラッグの反射がおこり、やはり反射波の強度が強くなる。[田中俊一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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