取掛る(読み)トリカカル

デジタル大辞泉 「取掛る」の意味・読み・例文・類語

とり‐かか・る【取(り)掛(か)る】

[動ラ五(四)]
手をつける。着手する。「作業に―・る」
すがりつく。とりすがる。
手足に―・りてき悲しみき」〈・上〉
組みつく。うってかかる。
「ものどもに―・りて、つかみこぼし給ふ」〈宇津保・国譲中〉
[類語](1始めるしだすやりだす掛かるしかかるしかける開始する着手する幕開き開幕始まる踏み出すスタート出出し立ち上がり手始め皮切り口切り封切り起動始動発動幕がふたく・蓋を開けるしょ・ちょ端を発する口火を切る火蓋を切る幕を切って落とす狼煙のろしを上げる手を付ける御輿みこしを上げる

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精選版 日本国語大辞典 「取掛る」の意味・読み・例文・類語

とり‐かか・る【取掛・取懸】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「とり」は接頭語 )
  2. 取り組みはじめる。手をつけはじめる。着手する。
    1. [初出の実例]「その御返事奉らんとてとりかかるほどに」(出典:能因本枕(10C終)一〇四)
  3. あるものに心がかかる。そのことが気にかかる。
    1. [初出の実例]「又みやのうへにとりかかりて、こひしうもつらくもわりなき事ぞ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蜻蛉)
  4. 物に取りすがる。すがりつく。よりかかる。すがる。
    1. [初出の実例]「手足に取懸(とりかかり)て哭き悲しみき」(出典古事記(712)上)
  5. 立ち向かってゆく。うってかかる。つかみかかる。
    1. [初出の実例]「ものどもにとりかかりて、つかみこぼしたまふへば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)

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