咳き上げる(読み)セキアゲル

デジタル大辞泉 「咳き上げる」の意味・読み・例文・類語

せき‐あ・げる【×咳き上げる/急き上げる】

[動ガ下一][文]せきあ・ぐ[ガ下二]
しきりにせきをする。せきこむ。「苦しげに―・げる」
涙がこみ上げてむせる。しゃくりあげる。「悲しみのあまり―・げる」
感情が高まる。
「白状しければカリドンは忽ち、かっと―・げて」〈竜渓経国美談
[類語]泣く涙する涙ぐむむせすすり上げるしゃくり上げるこくする落涙する流涕りゅうていする涕泣ていきゅうする歔欷きょきする嗚咽おえつする慟哭どうこくする号泣する号哭ごうこくするめそめそする差し泣き明かす泣き暮らす泣き伏す泣き沈む泣き崩れる泣き濡れる泣き出す泣き叫ぶ泣き喚く泣き腫らす泣きじゃくるむせび泣く噎せ返る・泣き噎ぶ・すすり泣く忍び泣く涙に暮れる涙に沈む涙に噎ぶそでを絞るむずかるべそをかく

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精選版 日本国語大辞典 「咳き上げる」の意味・読み・例文・類語

せき‐あ・げる【咳上】

  1. 〘 自動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]せきあ・ぐ 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙 呼吸などがつかえてむせる。また、そのようにさまざまな感情が胸につかえる。
  2. しきりにせきをする。せきこむ。
    1. [初出の実例]「にはかにれいの御胸をせきあけて、いといたうまどひ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
  3. 悲しみの気持がいっぱいになる。涙がこみあげてきてむせる。しゃくりあげる。
    1. [初出の実例]「つらくや思はむと、心惑ひの中にも、おもほすに、御胸せきあくる心地し給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  4. 怒りがこみあげる。感情がたかまる。
    1. [初出の実例]「短気の団七ぐっとせき上、縄取りひっ立上るを」(出典:浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)二)

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