憤る(読み)イキドオル

デジタル大辞泉 「憤る」の意味・読み・例文・類語


むずか・る〔むづかる〕【憤る】

[動ラ五(四)]《「むずかしいむつかしい)」と同語源。「むつかる」とも》
子供機嫌が悪く、泣いたりすねたりする。「赤ん坊が―・る」
機嫌が悪くなる。ぶつぶつ小言をいう。
「心知れる人々は、あな憎、例の御癖ぞ、と見たてまつり―・るめり」〈・明石〉
[類語]ぐずる泣く涙する涙ぐむむせすすり上げるしゃくり上げるき上げるこくする落涙する流涕りゅうていする涕泣ていきゅうする歔欷きょきする嗚咽おえつする慟哭どうこくする号泣する号哭ごうこくするめそめそする差し泣き明かす泣き暮らす泣き伏す泣き沈む泣き崩れる泣き濡れる泣き出す泣き叫ぶ泣き喚く泣き腫らす泣きじゃくるむせび泣く噎せ返る・泣き噎ぶ・すすり泣く忍び泣く涙に暮れる涙に沈む涙に噎ぶそでを絞るべそをかく

むつか・る【憤る】

[動ラ五(四)]むずかる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「憤る」の意味・読み・例文・類語

むずか・るむづかる【憤】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 古くは「むつかる」「むずかしい(むつかしい)」と同源 )
  2. 機嫌が悪くなる。ぶつぶつと小言をいう。腹を立てる。むつける。
    1. [初出の実例]「使人、悉に国家(みかど)の、新羅任那滅すに憤(ムツカリ)たまふを知りて」(出典日本書紀(720)欽明二三年一一月(寛文版訓))
  3. 幼児が機嫌を悪くして泣く。すねる。
    1. [初出の実例]「まづ三の宮の五歳にならせ給ふを〈略〉大にむつからせ給ふ」(出典:平家物語(13C前)八)

いきどお・るいきどほる【憤】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 心中に不平をいだく。心が晴れないで、悩み苦しむ。→「いかる(怒)」の語誌
    1. [初出の実例]「伊伎騰保流(イキドホル) 心のうちを 思ひのべ うれしびながら」(出典:万葉集(8C後)一九・四一五四)
  3. 恨み怒る。はげしく立腹する。憤慨する。
    1. [初出の実例]「列士恩に感じ、事の成らざるを悲しび、憤(イキドホリ)恚みて死ぬ」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)七)

むつか・る【憤】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙むずかる(憤)

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