デジタル大辞泉 「噎ぶ」の意味・読み・例文・類語 むせ・ぶ【×噎ぶ/▽咽ぶ】 [動バ五(四)]《古くは「むせふ」》1 飲食物をのどに詰まらせたり、煙を吸い込んだりして、息苦しくなる。また、そのようになってせきこむ。むせる。「たき火の煙に―・ぶ」2 こみ上げる感情で息が詰まる。また、息を詰まらせながら泣く。「感涙に―・ぶ」3 むせび泣くような声や音を立てる。「声はして雲路に―・ぶ郭公ほととぎす涙やそそく宵のむら雨」〈新古今・夏〉4 水の流れがつかえる。また、つかえて水音を立てる。「巌泉―・んで布をひき、嶺猿叫んで枝にあそぶ」〈平家・五〉[類語](1)喘あえぐ・はあはあ・ぜいぜい・ぜえぜえ・喘あえぎ喘ぎ・むせる・むせ返る・息急せき切る・息が切れる・息を切らす・息を弾ませる・肩で息をする・咳せき込む・息衝く・息がはずむ・息切れ・息も絶え絶え・胸苦しい・重苦しい・重重しい・息詰まる・寝苦しい・息苦しい・悶悶もんもん・苦しい・片息・気息奄奄えんえん/(2)胸を痛める・胸が痛む・胸が張り裂ける・胸が塞がる・胸がつかえる・胸が裂ける・胸が潰れる・胸拉ひしぐ・胸がつまる/(3)泣く・涙する・涙ぐむ・啜すすり上げる・噦しゃくり上げる・咳せき上げる・哭こくする・落涙する・流涕りゅうていする・涕泣ていきゅうする・歔欷きょきする・嗚咽おえつする・慟哭どうこくする・号泣する・号哭ごうこくする・めそめそする・差し含ぐむ・泣き明かす・泣き暮らす・泣き伏す・泣き沈む・泣き崩れる・泣き濡れる・泣き出す・泣き叫ぶ・泣き喚く・泣き腫らす・泣きじゃくる・噎むせび泣く・噎せ返る・泣き噎ぶ・すすり泣く・忍び泣く・涙に暮れる・涙に沈む・涙に噎ぶ・袖そでを絞る・むずかる・べそをかく 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「噎ぶ」の意味・読み・例文・類語 むせ・ぶ【噎・咽】 〘 自動詞 バ五(四) 〙 ( 古くは「むせふ」 )① 煙や異物で喉(のど)が息苦しくなる。飲食物などで息がつまったりせきこんだりする。むせる。[初出の実例]「ひとりねて床のうらわに夜もすがらむせふ煙は海士のたく火か」(出典:清輔集(1177頃))② こみあげる感情で声がつまる。声をつまらせながら激しく泣く。むせび泣く。[初出の実例]「悲鯁(ムセヒ)て言はく、苦(くや)しきかな。今日、我が愛(うるわ)しき夫(をと)を失ひつる」(出典:日本書紀(720)武烈即位前(図書寮本訓))③ むせび泣くような声や音をたてる。[初出の実例]「物の音もむせびぬべき心ちし給へば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)幻)④ 遣水の流れなどがつかえる。流れがとどこおりつつ水音をたてる。[初出の実例]「石まより出づる泉ぞむせぶなるむかしをこふるこゑにやあるらむ」(出典:兼盛集(990頃)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by