国語(言語学)(読み)こくご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国語(言語学)」の意味・わかりやすい解説

国語(言語学)
こくご

一国の言語の意であるが、実際には日本、中国、韓国などに限られ、それぞれ日本語、中国語、韓国語などをさしており、主として国家公用語として用いられる場合を意味している。日本語を国語と称した古い例は、すでに江戸時代の末ごろからみえるが、明治以後には初等教育教科名称としても広く用いられるようになった。言語の名称としての国語は、内容上からは日本語と同義であるが、純粋に言語学的立場からは、国家という政治的要素を排除する意味で「日本語」、その研究は「国語学」でなく「日本語学」とすべきだとする意見もある。言語政策の面からは「国語問題」「国語政策」などというのが普通である。

築島 裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例