デジタル大辞泉
「塞がる」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ふさが・る【塞】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- ① いっぱいになる。つまる。ふたがる。
- (イ) いっぱいになってさえぎられる。立ちふさがる。さえぎられて通れなくなる。
- [初出の実例]「大磐(をほいは)塞(フサカリ)て溝(みそ)を穿(ほ)ることを得(え)ず」(出典:日本書紀(720)神功摂政前(北野本訓))
- (ロ) 空間にいっぱいにひろがる。満ちる。
- [初出の実例]「仁風(うつくしひののり)宇宙(あめのした)に鬯(の)び美声(よきな)乾坤(あめつち)に塞(フサカル)」(出典:日本書紀(720)安閑二年正月(北野本訓))
- (ハ) 鼻やのどなどがつまる。
- [初出の実例]「鼽 ハナフサカル」(出典:韻字集(1104‐10))
- (ニ) ある気持や考えなどで胸がいっぱいになる。心配や苦労などで胸がつまる。
- [初出の実例]「前途三千里のおもひ胸にふさがりて」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立)
- (ホ) 他のものに占められて使えなくなる。いっぱいで、別のものが入る余地がなくなる。
- [初出の実例]「おりふしべちの間がふさがっておりなひ」(出典:虎明本狂言・宗論(室町末‐近世初))
- ② 閉じる。締まる。とざされる。閉鎖する。
- [初出の実例]「不破の関ふさがりたる由申ける間」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
- ③ 手や器具が使用されていて使えない状態になる。
- [初出の実例]「両人とも両手が塞がってゐる」(出典:倫敦消息(1901)〈夏目漱石〉三)
- ④ 陰陽道でいうふさがりの方角に当たる。事を起こそうとする方角に、太白神・天一神などの凶神がおり、その祟りをおそれて行なうことができない状態になる。方塞(かたふたがり)になる。ふたがる。
ふたが・る【塞】
- 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
- ① =ふさがる(塞)①
- [初出の実例]「遮衢(さいきりをと)して径(みち)に塞(フタカリ)て」(出典:日本書紀(720)景行四〇年七月(北野本訓))
- ② =ふさがる(塞)④
- [初出の実例]「方はいづかたかふたがる」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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