寂寂(読み)サビサビ

デジタル大辞泉の解説

さび‐さび【寂寂】

[副]いかにも寂しげなさま。
「からまつの林の道は…ほそぼそと通う道なり。―といそぐ道なり」〈白秋落葉松

じゃく‐じゃく【寂寂】

[ト・タル][文][形動タリ]
ひっそりとして寂しいさま。
「―たる無人の境に」〈荷風・ふらんす物語〉
無心なさま。何も考えることのないさま。
「心に妄想を払って、―としてぞ居たりける」〈太平記・二〇〉

せき‐せき【寂寂】

[ト・タル][文][形動タリ]もの寂しいさま。ひっそりとしたさま。じゃくじゃく。「寂寂たる深山幽谷

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大辞林 第三版の解説

じゃくじゃく【寂寂】

( トタル ) [文] 形動タリ 
静かでさびしいさま。 「 -として物音一つ聞こえない」 「四囲あたりを見れば-寞々/いさなとり 露伴
無念無想のさま。 「心に妄想を払て、-としてぞ居たりける/太平記 20

せきせき【寂寂】

( トタル ) [文] 形動タリ 
じゃくじゃく(寂寂)」に同じ。 「 -たる空斎に在て/世路日記 香水

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精選版 日本国語大辞典の解説

さくざく‐し【寂寂】

〘形シク〙 (「そうぞうし(さうざうし)」の古形) 心が楽しまない。さびしい。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕

さび‐さび【寂寂】

[1] 〘副〙 (「さび()」を重ねて強調した語。多く「と」を伴って用いる)
① いかにもさびしい様子であることを表わす語。さびしげに。
※中華若木詩抄(1520頃)中「柳も葉が疎にして、さびさびとありて」
② 閑寂な趣のあるさまを表わす語。かれがれとして。
※花鏡(1424)比判之事「さびさびとしたる中(うち)に、何とやらん感心のある所あり」
[2] 〘形動〙 さびしいさま。多く女房詞として用いる。
※御湯殿上日記‐文明一七年(1485)五月一一日「御さひさひのおりふしにて御さか月まいりて」

じゃく‐じゃく【寂寂】

〘形動タリ〙 (「じゃく」は「寂」の呉音)
① ひっそりとして、さびしいさま。寂然(せきぜん)。せきせき。
※曾我物語(南北朝頃)一「孟冬うつりきたりて、紅葉嵐にたえ、りういんけんかとうしゃくしゃくたり」
② 何も考えないさま。無心のさま。無念無想のさま。「空空寂寂」
※太平記(14C後)二〇「心に妄想を払て、寂々(シャクシャク)としてぞ居たりける」

せき‐せき【寂寂】

〘形動タリ〙 (「せき」は「寂」の漢音) ひっそりとして、さびしいさま。寂然(せきぜん)。寂寥(せきりょう)。じゃくじゃく。
※文華秀麗集(818)下・冷然院各賦一物、得澗底松〈嵯峨天皇〉「高声寂寂寒炎節、古色蒼蒼夕陽
※源平盛衰記(14C前)一一「寂々(セキセキ)たる臥戸に、泪(なみだ)泉に咽べども、巴峡(はかう)秋深ければ、嶺猿のみ叫けり」 〔左思‐詠史詩〕

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