デジタル大辞泉
「寂寂」の意味・読み・例文・類語
じゃく‐じゃく【寂寂】
[ト・タル][文][形動タリ]
1 ひっそりとして寂しいさま。
「―たる無人の境に」〈荷風・ふらんす物語〉
2 無心なさま。何も考えることのないさま。
「心に妄想を払って、―としてぞ居たりける」〈太平記・二〇〉
さび‐さび【寂寂】
[副]いかにも寂しげなさま。
「からまつの林の道は…ほそぼそと通う道なり。―といそぐ道なり」〈白秋・落葉松〉
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さび‐さび【寂寂】
[1] 〘副〙 (「さび(寂)」を重ねて強調した語。
多く「と」を伴って用いる)
① いかにもさびしい
様子であることを表わす語。さびしげに。
※中華若木詩抄(1520頃)中「柳も葉が疎にして、さびさびとありて」
② 閑寂な趣のあるさまを表わす語。かれがれとして。
※
花鏡(1424)比判之事「さびさびとしたる中
(うち)に、何とやらん
感心のある所あり」
[2] 〘形動〙 さびしいさま。多く女房詞として用いる。
じゃく‐じゃく【寂寂】
① ひっそりとして、さびしいさま。寂然(せきぜん)。せきせき。
※
曾我物語(南北朝頃)一「
孟冬うつりきたりて、紅葉嵐にたえ、りういんけんかとうしゃくしゃくたり」
② 何も考えないさま。無心のさま。
無念無想のさま。「
空空寂寂」
※太平記(14C後)二〇「心に妄想を払て、寂々(シャクシャク)としてぞ居たりける」
せき‐せき【寂寂】
〘形動タリ〙 (「せき」は「寂」の
漢音) ひっそりとして、さびしいさま。寂然
(せきぜん)。寂寥
(せきりょう)。じゃくじゃく。
※
源平盛衰記(14C前)一一「寂々
(セキセキ)たる臥戸に、泪
(なみだ)泉に咽べども、巴峡
(はかう)秋深ければ、嶺猿のみ叫けり」 〔
左思‐詠
史詩〕
さくざく‐し【寂寂】
〘形シク〙 (「そうぞうし(さうざうし)」の
古形) 心が楽しまない。さびしい。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「寂寂」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報