粛然(読み)シュクゼン

デジタル大辞泉 「粛然」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐ぜん【粛然】

[ト・タル][文][形動タリ]
なんの物音も聞こえず静かなさま。また、静かで行儀正しいさま。「粛然として声なし」
「―として諸人議論を聞き居る内にも」〈鉄腸・花間鶯〉
おごそかで整ったさま。
「―とそびえているその姿には、…神秘が宿っている」〈有島生れ出づる悩み
真剣な気持ちで受け止め、つつしみかしこまるさま。
衣袴いこを正して先ず―とする」〈風葉・下士官〉
[類語]静かひそやかしめやか静寂静粛静閑閑静閑散閑寂清閑しじま森閑深深しんしん森森しんしん沈沈ちんちんせき・じゃく寂然せきぜん・じゃくねん寂寂せきせき・じゃくじゃくげき闃然げきぜん重厚厳か厳粛粛粛森厳荘厳そうごん荘重重重しい物物しい厳めしい厳としてマッシブ存在感睥睨へいげい厳しい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん峻烈しゅんれつ苛酷険しい辛辣しんらつ貫禄威厳威徳尊厳威儀権威威信威名威望名望威光威力権力勢威重圧すご脅威威圧威風威風堂堂威容偉容英姿雄姿勇姿仰仰しいご大層息が詰まる大風呂敷を広げる

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精選版 日本国語大辞典 「粛然」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐ぜん【粛然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. おごそかで心がひきしまるようなさま。
    1. [初出の実例]「粛然幽興処、院裡満茶煙」(出典凌雲集(814)秋日皇太弟池亭賦天字〈嵯峨天皇〉)
    2. 「窟内に入れば神戒粛然」(出典:日向纂記(1867)一)
    3. [その他の文献]〔礼記‐祭義〕
  3. おそれつつしむさま。つつしみかしこむさま。
    1. [初出の実例]「皇子博学多通、有文武材幹、始親万機、群下畏服、莫粛然」(出典:懐風藻(751)大友皇子伝)
    2. [その他の文献]〔荀子‐彊国〕
  4. 静かで行儀正しいさま。
    1. [初出の実例]「故閨門之内、要粛然清苦之気象」(出典:童子問(1707)中)
    2. 「一個の老人が粛然と端坐して控へて居る」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九)

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普及版 字通 「粛然」の読み・字形・画数・意味

【粛然】しゆくぜん

おそれつつしむ。ひきしまる。〔史記、封禅書〕壽宮君の最も貴き太一なり。~時に去り、時に來(きた)る。來るときは則ち風肅然たり。

字通「粛」の項目を見る

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