層雲(読み)そううん

  • stratus
  • 書名

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

俳句雑誌。 1911年4月創刊荻原井泉水河東 (かわひがし) 碧梧桐,大須賀乙字らの協力を得て新傾向俳句運動の中央誌として発刊。内容,内在律を重視しての自由律俳諧の推進母体として発展する一方,ドイツ文学の紹介や,滝井孝作,久米正雄らの小説,石川啄木の短歌なども掲載し,幅広い句誌となった。季題無視,印象の律の主張へと井泉水俳句観が変化すると,碧梧桐らが去り,14年からは井泉水の主宰誌として存続尾崎放哉栗林一石路種田山頭火ら多くの俊秀輩出した。井泉水没後は,伊藤完吾が発行している。
下層に属する層状略号 St。最も低いところに現れる雲で,水滴からなり,その多くは地表から 600mくらいの範囲に発生する。一様な雲層でに似ているが,地表面には接していない。雲層が薄い場合は,太陽や月が透けて見えることがある。

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デジタル大辞泉の解説

十種雲形(雲級)の一。灰色をした層状の雲で、地表付近にたなびく。略号はSt。霧雲(きりぐも)。→雲級
[補説]書名別項。→層雲
俳句雑誌。明治44年(1911)、荻原井泉水が創刊。創刊当初河東碧梧桐とともに新傾向俳句の普及をめざしたが、のちに季題に関する意見の相違から碧梧桐は離脱。井泉水は定型・季題を止揚した自由律俳句を唱えた。小沢武二種田山頭火尾崎放哉などを輩出。平成4年(1992)廃刊

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世界大百科事典 第2版の解説

俳句雑誌。荻原井泉水主宰。1911年(明治44)4月創刊,44年4月終刊。46年6月復刊,現在に至る。当初は河東碧梧桐らの新傾向俳句呼応,また,ドイツ文学を中心にした翻訳紹介に力を注いだが,1912年ごろから〈真実をむる心〉(井泉水)のリズムをそのままに書きとめる自由律俳句提唱尾崎放哉種田山頭火野村朱鱗洞(1893‐1918)らが輩出した。昭和初期にはプロレタリア文学の影響下に,栗林一石路(1884‐1961),橋本夢道(1903‐74)らも出た。

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大辞林 第三版の解説

層状に霧のように広がった雲。雲底が平らで灰色。霧雨を伴うこともある。霧雲きりぐも
俳句雑誌。1911年(明治44)荻原井泉水が創刊。種田山頭火らを輩出。44年(昭和19)に終刊、46年に復刊。

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 〘名〙
① 層をなす雲。雲の層。また、比較的低いところにはう雲。
※本朝文粋(1060頃)四・為入道前太政大臣辞職第三表〈大江匡衡〉「則如魚鼈於層雲之巓、棲鳥雀於重淵之底者也」
※経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「遠く平羅の地を望めば平昆の嶮嶺遙に層雲の上に秀づ」 〔陸機‐文賦〕
② 十種雲形の一つ。低く一様にたれこめた霧のような雲。地面には接触していない。ふつう局地的なもので、水滴を含んでいるが比較的天気のよい時にできる。霧雲(きりぐも)。〔英和和英地学字彙(1914)〕
[2] 俳句雑誌。明治四四年(一九一一)河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)・荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)が中心となって創刊。のちに碧梧桐らが去って井泉水が主宰。無季・自由律を主張した新傾向の俳句をめざした。尾崎放哉(ほうさい)・種田山頭火(さんとうか)・栗林一石路(いっせきろ)らを輩出した。

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世界大百科事典内の層雲の言及

【雲】より

… 一定体積中(1m3中)の雲粒の総量を雲水(くもみず)量という。これは層雲や高層雲などでは小さく0.05~0.5g/m3程度,小さい大陸性の積雲内で0.3~0.4g/m3程度,積乱雲中で1~3g/m3程度である(図3)。この量が大きいと雨滴の形成の速度が大きくなり,降雨の開始と密接な関係がある。…

【自由律】より

…【木俣 修】
[自由律俳句]
 新傾向俳句が俳句の旧習を脱しようとしてあたらしい試みをしながらも,なお定型と季題を捨てきれなかったのを不満として,季題の拘束から離れ,自由な表現を試みたのが中塚一碧楼らで,俳誌《第一作》(1912)によってはじめてこれを試みた。これが自由律俳句運動のおこりで,1914年(大正3)には荻原井泉水が俳誌《層雲》でいっそう大胆な自由表現と季題無用論を唱えて加わり,さらに17年には河東碧梧桐も口語表現のさけがたいことを論じて運動に投じた。これを俳誌の面からいえば,前記《第一作》の後身《海紅(かいこう)》と《層雲》を主流として,碧梧桐の《碧》《三昧》,栗林一石路らの《俳句生活》を加えたものが自由律俳句の流れであった。…

【新傾向俳句】より

…(3)第3期 この趨勢を批判し,乙字は人事は季題にすべからずとして臼田亜浪の《石楠(しやくなげ)》により季題尊重の側に立った。荻原井泉水も11年《層雲》を創刊し,定型と季題を止揚して生命の律動を詠む自由律を提唱,碧梧桐と別れた。一碧楼は季題と形式にとらわれない自由表現を唱え,碧梧桐とともに15年《海紅》を創刊した。…

※「層雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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