(読み)カシク

  • ▽恐/可=祝/▽畏
  • おおそれ
  • おそらく
  • おそり
  • おそろ
  • おそろし
  • おそろし・い
  • おっそろし・い
  • おとろし
  • おとろし・い
  • きょう
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

《「かしこ」の音変化》女性の手紙末尾に用いるあいさつの。かしこ。
常用漢字] [音]キョウ(漢) [訓]おそれる おそろしい こわがる
こわがる。おそれる。「恐慌恐怖・恐妻家」
おどす。「恐喝
おそれ入る。「恐悦恐懼(きょうく)恐縮恐恐謹言
(兢(きょう)の代用字)びくびくするさま。「戦戦恐恐
難読]恐持(こわも)て

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 御恐れの意という。また、恐れる気持を強調するため、「おそれ(恐)」を「おおそれ」と発音するのが室町後期には普通であったともいう。→おおそれおおしおおそれながら
※幸若・夜討曾我(寛永版)(室町末‐近世初)「給はる御こそで、まいらせたくは候へども、さいごにきてしなんため、参らせず候。そのおほそれ、是おほし」
〘副〙 (「おそらくは(恐━)」の略)
※虎寛本狂言・乳切木(室町末‐近世初)「おそらく、何れも大勢成共、まくる太郎ではおりないぞ」
※虎明本狂言・竹の子(室町末‐近世初)「『やるまひといふたりと取てみせう』『おそらくとらすまひぞ』」
③ 恐ろしいほど。この上なく。
※評判記・難波物語(1655)「吉野・鼻の高さおそらく也」
※浮世草子・好色産毛(1695頃)三「女人におゐてはおそらくの療治仕候」
〘名〙 (上二段動詞「おそる(恐)」の連用形の名詞化) 恐怖の原因となるべき事柄。警戒すべき事。恐ろしい事の起こりそうな心配。おそれ。恐怖。不安。
※万葉(8C後)四・五一八「春日野の山辺の道を於曾理(オソリ)なく通ひし君が見えぬころかも」
※土左(935頃)承平五年一月二三日「このわたり海賊のおそりありといへば」
〘形動〙 (形容詞「おそろし(恐)」から出て、江戸時代、安永・天明(一七七二‐八九)頃、通人の間に流行した語)
① 驚いたり感心したりして、おそれいるさま。
※浄瑠璃・神霊矢口渡(1770)二「此白紙(しろがみ)(したた)め置き水にひたせば皆読(よめ)る。コリャおそろだ」
② はなはだしいさま。たいそうなさま。恐ろしいさま。
※談義本・当世穴噺(1771)四「人殺しといわふか医者ほどおそろな物はござらぬ」
〘形口〙 おそろし 〘形シク〙
① 身に危険が感じられて、不気味である、不安である。こわい。おっかない。
※竹取(9C末‐10C初)「これやわが求むる山ならむと思ひて、さすがにおそろしくおぼえて」
② たいしたものだ。えらい。
※栄花(1028‐92頃)月の宴「かく久しく世を保たせ給ひつるもいとおそろし」
※坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉五「熟練は恐しいもので」
③ 驚きあきれることである。ひどい。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「『こっちは雲の上人だ』『菰(こも)の餓人(うえびと)ではござりませんか』『おそろしい』」
④ 物事の程度がはなはだしい。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「私(わっち)も一躰、おそろしい我儘ものサ」
[語誌](1)①の「竹取」例などに見られるように対象に対する主観的な恐怖を表わしたが、中世以降、対象が客観的に見ても恐怖の対象となる状態であることをも示すようになっている。
(2)中世には、「天草版平家」の「ヨノ キコエモ vosoroxixito(ヲソロシシト) アッテ」のように、終止形「おそろしし」の形も存在した。
(3)近世以降「恐ろしい」は「程度がはなはだしい」意で程度副詞のようにも用いられる。これは、「恐ろしい」に「対象の持つ属性の程度が、常識をはるかに超えている」という意味が含まれているために成立した用法と思われる。
おそろし‐が・る
〘自ラ五(四)〙
おそろし‐げ
〘形動〙
おそろし‐さ
〘名〙
おそろし‐み
〘名〙
〘形口〙 「おそろしい(恐)」の変化した語。
※洒落本・船頭深話(1802)一「とぼし迎ときちゃア、おっそろしくいそがしい」
〘形口〙 おとろし 〘形シク〙 (「おそろしい」の変化したもの。関西地方でいう) おそろしい。また、うんざりする。めんどうくさい。
※浮世草子・忘花(1696)一「きくはにわかに身をふるひ、あらおとろしやすさまじや、今より後は其事あらじ、ゆるしてたべと」
おとろし‐げ
〘形動〙
おとろし‐さ
〘名〙
〘形シク〙 ⇒おそろしい(恐)
〘形シク〙 ⇒おとろしい

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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