恐懼(読み)キョウク

デジタル大辞泉 「恐懼」の意味・読み・例文・類語

きょう‐く【恐×懼】

[名](スル)
おそれかしこまること。
しんただ―して落涙らくるいとどまらざるあるのみ」〈露伴運命
候文手紙末尾に記し、敬意を表す語。「再拝恐懼」「恐懼謹言」
昔、朝廷からとがめを受け、家にこもって謹慎すること。
[類語]恐縮有り難い謝る謝するわびわび言平謝り陳謝謝罪多謝わびるかたじけないうれしいもったいないおそれ多い幸甚恐れ入る痛み入る心苦しい身に余る過分恐恐かしこまる畏れる謹むしゃちほこばる固くなる縮こまる小さくなるまじめ腐る身の縮む思い畏怖恩義恩に着る頭を下げる腰をかがめる平身低頭身に過ぎる三拝九拝深謝感謝拝謝万謝謝意謝恩感佩かんぱいかしこくも感恩有り難がる言葉に甘えるお言葉に甘える厚意多とする感極まる感じ入る感に堪えない身に染みる思いやり

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精選版 日本国語大辞典 「恐懼」の意味・読み・例文・類語

きょう‐く【恐懼】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「懼」はおそれるの意 )
  2. ( ━する ) おそれること。おそれいってちぢまること。
    1. [初出の実例]「延及今歳亦猶風雲気色有于常。朕心恐懼、日夜不休」(出典:続日本紀‐養老五年(721)二月甲午)
    2. [その他の文献]〔易経‐震卦〕
  3. 手紙の末尾に記し、差出し先の人に対する敬意を表わす語。
    1. [初出の実例]「文尾にこれを書くは、甚可畏と云意にて、中国の書牘に、恐懼恐惶と書より出るなり」(出典:随筆・秉燭譚(1729)二)
  4. ( ━する ) 昔、朝廷からお叱(しか)りを受けて、出仕を停止し、家にとじこもって謹慎すること。
    1. [初出の実例]「被于陰根。範国不堪。遽以笑。右府不案内。以咎及奏達。範国依此事恐懼」(出典:江談抄(1111頃)二)

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普及版 字通 「恐懼」の読み・字形・画数・意味

【恐懼】きようく

おそれつつしむ。〔易、震、象伝〕(しき)りに雷あるは震なり。君子以て懼して脩省す。

字通「恐」の項目を見る

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