悪声(読み)あくせい

精選版 日本国語大辞典 「悪声」の意味・読み・例文・類語

あく‐せい【悪声】

〘名〙
① 声が悪いこと。また、その声。⇔美声
江戸から東京へ(1922)〈矢田挿雲〉八「長唄の三味線弾きの家へ日参して『旅の衣は篠懸のウ』と吠えて見たけれど性来の悪声(アクセイ)でモノに成らず」
② 人を悪く言うこと。また、その言葉。悪口悪評。〔文明本節用集(室町中)〕
※青春物語(1932‐33)〈谷崎潤一郎〉小山内氏とのいきさつのこと「近頃小山内氏が蔭へ廻ってしきりに君のために悪声を放ってゐる」 〔史記‐楽毅伝〕
③ よこしまな声。野卑な、または、聞き苦しい声。みだらな声や音。
地蔵菩薩霊験記(16C後)四「元より不善の人なければ耳悪声(アクセイ)を聴くことなし」 〔孟子‐万章下〕
④ 不吉な声や音。〔晉書‐祖逖伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「悪声」の意味・読み・例文・類語

あく‐せい【悪声】

悪い声。耳障りな声。⇔美声
悪い評判。悪評。悪口。
[類語](1音声発声美声金切り声だみ声どら声胴間声鼻声裏声小声猫撫で声声色肉声人声地声大声大音声音吐蛮声がらがら声しゃがれ声しわがれ声塩辛声ハスキーボイス風邪声含み声作り声嬌声奇声悲鳴声を上げる声を大にする声を張り上げる声を尖らす声を嗄らす声を忍ばせる声を潜める声を荒らげる声を落とす声を掛ける声を殺す声を揃える声を立てる声を呑む声を励ます声を振り絞る/(2悪名汚名札付き面汚しさら汚点名折れ醜名醜聞不名誉不面目悪評不評曰く付き訳有り虚名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「悪声」の読み・字形・画数・意味

【悪声】あくせい

悪口。〔史記、楽毅伝〕臣聞く、古の君子は、はりつとも惡聲を出ださずと。

字通「悪」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android