文目(読み)アヤメ

デジタル大辞泉 「文目」の意味・読み・例文・類語

あや‐め【文目】

織物木目もくめなどに現れた模様いろどり。あや。
多くはあとに「知らず」「分かず」「見えず」などの語を伴って用いる)
㋐物の区別。見分け。けじめ。
「―も知れない闇の中から、硫黄たけ山頂空中に現われ出る」〈有島生れ出づる悩み
物事の筋。道理条理分別
「何の―も知らぬしづも」〈胡蝶
[類語]模様文様もんようもんあや地紋じもんがら紋柄もんがら図柄絵柄図様図案意匠パターンデザインプリント見境見分け

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精選版 日本国語大辞典 「文目」の意味・読み・例文・類語

あや‐め【文目】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 綾織物の織り目。また、模様。あや。
    1. [初出の実例]「おぼつかな錦もみえぬ闇の夜に何のあやめをおるにかあるらん」(出典:朝光集(995頃))
  3. 視覚などによって識別すべき模様や物のかたち。物の区別。あいろ。「あやめも分かぬ」などと、下に打消の意の語を伴う場合が多い。
    1. [初出の実例]「あがほとけ、なほ見せ給へ。〈略〉まだあやめも見えざりしをだに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
  4. 物事の論理的な筋道。また、物事を順序立てて考えること。条理。分別。「あやめも知らず」などと下に打消の意の語を伴うことが多い。
    1. [初出の実例]「なにのあやめも思ひしづめられぬに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  5. ハモすり身を、豆腐と一緒に田楽にして、皿に盛り、葛餡(くずあん)をかけた料理。

文目の補助注記

和歌では「菖蒲(あやめ)」にかけて用いることが多い。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「文目」の解説

文目 (アヤメ)

学名Iris sanguinea var.sanguinea
植物。アヤメ科多年草

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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