日本大百科全書(ニッポニカ) 「扶余(中国)」の意味・わかりやすい解説
扶余(中国)
ふよ / フーユイ
中国、吉林(きつりん)省北西部の松原(しょうげん)地級市に属する県級市。第二松花江(しょうかこう)の右岸、嫩江(どんこう)との合流点から約40キロメートル上流に位置する。常住人口77万1700(2011)。粛慎(しゅくしん)、渤海(ぼっかい)の時代よりツングース(エベンキ。中華人民共和国での公称は鄂温克族)が扶余とよび、ハルビンが建設されるまでは東北地方北部でもっとも繁栄した町であったといわれる。中華人民共和国成立後、防砂林が造成され、大豆、コウリャン、トウモロコシ、アワ、小麦、スモモ、ブドウ、リンゴなどの農産物や、フナ、コイ、タナゴなどの水産物を豊かに産出する。金(きん)の世宗(せいそう)が建てた得勝陀頌碑(とくしょうだしょうひ)がある。
[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]
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