蕎麦(読み)ソバ

  • ×蕎麦
  • きょうばく ケウ‥
  • そばむぎ
  • そまむぎ
  • 蕎=麦
  • 蕎麦 (ソバ・スムギ)

デジタル大辞泉の解説

タデ科の一年草。高さ40~70センチ。茎は赤みを帯び、葉は心臓形で先がとがる。夏または秋、白色や淡紅色の花びら状の萼(がく)をもつ小花を総状につける。実は三角卵形で緑白色、乾くと黒褐色になり、ひいてそば粉を作る。中央アジアの原産で、古く渡来し栽培される。そばむぎ。くろむぎ。 花=秋》「山畠や―の白さもぞっとする/一茶
《「蕎麦切り」の略》蕎麦粉つなぎを加え、水でこねて薄く延ばし、細く切ったもの。ゆでてつけ汁につけたり、汁をかけたりして食べる。
2に似た細長い麺。「中華蕎麦」「沖縄蕎麦
ソバの古名。
「隣なりける家の畠に―を植ゑて侍りけるを」〈著聞集・一二〉
ソバの古名。〈和名抄

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

タデ科の一年草作物。またその実を挽いて作った粉(そば粉)を水で練って薄くのばし、細く切って作った麺。つなぎに小麦粉やまいもなどを用いるものも多い。生麺をゆでて用いるが、乾麺もある。ゆでた麺を、水にさらして締めるなどしたあと、つけ汁につけながら薬味を添えて食べたり、あたたかい汁に入れて食べたりする。◇「そば切り」ともいう。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 そば。また、そばきり。
※続日本紀‐養老六年(722)七月戊子「冝天下国司勧課百姓、種樹晩禾蕎麦及大小麦、蔵置儲積、以備年荒」 〔白居易‐村夜詩〕
〘名〙
① (「そばむぎ(蕎麦)」の略。「そば」は「峙(そばだ)つ」「聳(そび)える」と同源で「稜角を持つもの」の意) タデ科の一年草。中央アジア原産でシベリア・東アジア・インドで穀物として広く栽培されている。茎は中空で赤みを帯び直立して高さ四〇~九〇センチメートルになる。葉は心臓状三角形で葉柄の基部は鞘(さや)となって茎を包む。夏または秋に、茎の先や葉腋(ようえき)からでる花柄の上部に白または淡紅色の小花が総状に密集してつく。花は花弁がなく萼(がく)が花弁状に五深裂している。果実は卵形でするどい三稜(りょう)があり緑白色、乾くと黒褐色となる。果中の胚乳(はいにゅう)からそば粉を製する。ソバの名は稜(そば)のある麦(むぎ)を意味する古名ソバムギに由来する。漢名、蕎麦。くろむぎ。〔文明本節用集(室町中)〕
※俳諧・続猿蓑(1698)秋「蕎麦はまだ花でもてなす山路かな〈芭蕉〉」
② そば粉を水でこねて薄くのばし、細く切った食品。ゆでて汁につけたり、また、煮込んだりして食べる。そばきり。〔大上臈御名之事(16C前か)〕
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)初「そばのふといのをあがりゃアせ」
③ 朝鮮茶碗の一種。平茶碗で、白めのやや荒い素地に失透気味の釉(うわぐすり)がかかっている。高台は低く、大振り。名の由来は井戸の側から出たという意味からとも、地肌の色合いが蕎麦に以ているからともいう。茶人の好む茶碗の一つ。
④ (「夜鷹そば」から) 夜鷹。私娼。
※雑俳・柳多留‐五六(1811)「まんぢうは蕎麦に八文高くうり」
⑤ (②が一杯一六文であったところから) 数の一六をいう。
※洒落本・苦界船乗合咄(1867)中「年は蕎麦(〈注〉十六)の年で」
[語誌](1)「続日本紀‐養老六年七月一九日」に「蕎麦」と見えるが、和訓は、「本草和名」に「曾波牟岐(ソバムキ)」、「二十巻本和名抄‐一七」に「久呂無木(クロムキ)」とある。ソバムギは実の形状から、クロムギは実の色からいう。
(2)中世にはムギが省略されたソバの語形が現われる。
(3)現在のように麺にして食するようになるのは、中世後期と考えられ、ソバキリとも呼んだ。
〘名〙 植物「そば(蕎麦)」の古名。
※続日本紀‐養老六年(722)七月戊子「冝天下国司勧課百姓、種樹晩禾蕎麦及大小麦、蔵置儲積、以年荒
〘名〙 植物「そば(蕎麦)」の古名。
※散木奇歌集(1128頃)秋「田上にて河のほとりに立ちなみたる柳の木に、そまむきといふものをかけたるが」

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