林泉寺(読み)りんせんじ

日本歴史地名大系 「林泉寺」の解説

林泉寺
りんせんじ

[現在地名]上越市中門前

春日かすが山の東北麓にある。山号春日山本尊釈迦如来曹洞宗上杉謙信の祖父越後守護代長尾晴景が、明応六年(一四九七)父重景の菩提を弔うため建立。重景の法号をとって林泉寺とし、上野国双林そうりん(現群馬県北群馬郡子持村)の曇英恵応を招いて開山とした(「曇英禅師語録」ほか)。以後長尾家(上杉家)菩提寺として繁栄した。林泉寺六代天室光育は学徳の誉れ高い名僧として知られ、天文一六年(一五四七)一山の衆徒に向けた禁制五ヵ条と修養十徳を作定している。謙信は七歳から一四歳まで光育から厳しい禅の修行と文武の道を学んだと伝えられる。


林泉寺
りんせんじ

[現在地名]米沢市林泉寺一丁目

春日山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。城跡の南西にあり、江戸時代には城下で最大の境内地を有した。明応六年(一四九七)上杉謙信の祖父長尾能景が父重景の菩提を弔うため越後国頸城くびき春日かすが(現新潟県上越市)の北東麓に、曇英恵応を開山として招いて創建(上杉家記・曇英禅師語録)。上杉家菩提寺であった。上杉景勝が慶長三年(一五九八)会津に転封した際同行、元和三年(一六一七)会津から現在地に移建された。


林泉寺
りんせんじ

[現在地名]三戸町斗内 寺牛

斗内とないの中心集落の北東、国道一〇四号の北側の丘陵山麓に位置する。普門山と号し、曹洞宗。本尊は釈迦牟尼。寛政年間(一七八九―一八〇一)の「邦内郷村志」に「林泉寺 普門山八戸法光寺末寺、開山法光寺十二世風山慶門大和尚、自元禄四年至寛政三年辛亥七世」とある。


林泉寺
りんせんじ

[現在地名]碧南市本郷町

大浜おおはま村の西、衣浦きぬうら湾に面した台地上に位置する。華慶山と号し曹洞宗。本尊観世音菩薩。瑞光ずいこう(知多市)のもと末寺。初め天台宗であったが、長禄元年(一四五七)儀雲の時、曹洞宗に改宗

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「林泉寺」の意味・わかりやすい解説

林泉寺
りんせんじ

新潟県上越市中門前にある曹洞(そうとう)宗の寺。春日山(かすがさん)と号する。本尊は釈迦如来(しゃかにょらい)。1497年(明応6)上杉謙信(けんしん)の祖父にあたる長尾能景(よしかげ)が父重景(しげかげ)の菩提(ぼだい)を弔うために、上州(群馬県)双林(そうりん)寺の曇英慧応(どんえいえおう)を招いて開山として創建した。以後、長尾家(上杉家)の菩提寺として栄え、謙信は第6世天室光育(てんしつこういく)、第7世益翁宗謙(やくおうそうけん)を師として参禅した。上杉家にかわって堀秀治が越後(えちご)領主となってからは同家の菩提寺となり、江戸幕府、歴代高田城主も特別の保護を与えた。境内には春日山城搦手(からめて)門を移築したという総門、室町時代の様式を伝える庭園、宝物館などがあり、寺宝には上杉謙信自作木像などがある。

菅沼 晃]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「林泉寺」の解説

林泉寺〔山形県〕

山形県米沢市にある寺院。曹洞宗。山号は春日山。1496年に越後国高田(現在の新潟県上越市)に建てられた一宇が基。上杉家、直江家の菩提寺で、直江兼続夫妻の墓などがある。

林泉寺〔新潟県〕

新潟県上越市にある曹洞宗の寺院。1497年、上杉謙信の祖父にあたる長尾能景が創建。長尾氏上杉氏の菩提寺として知られる。

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事典・日本の観光資源 「林泉寺」の解説

林泉寺(鐘楼)

(鳥取県鳥取市)
鳥取県民の建物百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の林泉寺の言及

【長尾能景】より

…能景在職中は比較的守護権力の安定した時期で,守護・守護代間に大きな対立はみられなかったが,房能が98年(明応7)に発した郡司不入地の否定政策は,のちに国人の利害とからんで守護勢力と守護代・国人衆間に対立が生ずる伏線となった。能景が春日山に開基した林泉寺はのち長尾家の菩提寺となった。1506年能登の畠山氏の要請で越中一向一揆と戦い,礪(砺)波郡般若野で戦死した。…

※「林泉寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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