桂米朝(3世)(読み)かつらべいちょう[さんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桂米朝(3世)」の意味・わかりやすい解説

桂米朝(3世)
かつらべいちょう[さんせい]

[生]1925.11.6. 満州,大連
[没]2015.3.19. 大阪,大阪
落語家。本名中川清。大東文化学院中退。1943年正岡容師事。1947年 4世桂米団治に入門,桂米朝となる。戦後滅亡の危機にあった上方落語の復興に尽力,6世笑福亭松鶴,3世桂春団治,5世桂文枝とともに戦後上方落語四天王と呼ばれる。1969年頃から全国で独演会を開催,その後,大阪サンケイホールで定期的に独演会を開催する。得意ネタは『百年目』『はてなの茶碗』『住吉駕篭』などに,『地獄八景亡者戯』などの大作や,『矢橋舟』『算段の平兵衛』など古いネタを復刻した。自作の新作落語『一文笛』は東西で演じる人も多い古典ともいえる名作。1996年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定,2009年文化勲章受章。研究者としても活躍,帝塚山学院大学で講師を務めたほか,『米朝落語全集』(7巻,1980~82)はその後の落語家たちの教科書ともなった。『上方芸人誌』(1976),『上方落語ノート』(1978),『落語と私』(1986)など著書も多数。門下に 2世桂枝雀,月亭可朝,桂ざこば,5世桂米団治(長男)らがいる。(→落語

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android