デジタル大辞泉
「段段」の意味・読み・例文・類語
きだ‐きだ【▽段▽段】
[形動ナリ]物を細かく切り刻むさま。ずたずた。
「恋も未練も―に切捨くれんと突立て」〈露伴・風流仏〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
だん‐だん【段段】
[1] 〘名〙
① 段状につながったもの。階段などをいう。
※玉塵抄(1563)五「
らいかは〈略〉ふしだんだんなどあれども、屋をつくるにうつばりむな木にならうずきようあるぞ」
※花物語(1908)〈
寺田寅彦〉六「狭い谷間に沿うて段々に並んだ山田の縁を縫ふ小径には」
② いろいろな段階。手順。
※玉塵抄(1563)五「色々
義理を付け段々をして示さるるげなぞ」
※
古道大意(1813)上「その貧き賤きにも段々が有って」
③ (「…のだんだん」の形で) その次第。箇条箇条。くだりくだり。
※
浄瑠璃・亀谷物語(1683)五「
始終のだんだん、とかう言語につくされず」
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三「御立腹の数々御歎の段々、申し上ふ様はなけれども」
④ (「だんだんに」の形で) きれぎれなさま、ばらばらなさまをいう。
※栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上「身肉段々に切れて散在せり」
⑤ (「だんだんの」の形で) 次から次へ続くさま、いろいろであるさまをいう。
※浄瑠璃・心中天の
網島(1720)中「身にあやまりあればこそ、だんだんのわびこと」
[2] 〘副〙 (「に」や「と」を伴って用いることもある)
① 順を追って進むさま。次第次第に。
漸次(ぜんじ)。
※
人情本・英対暖語(1838)初「どふもだんだんと雨の音がおそろしくなって」
②
物事が次から次へと続くさま。かさねがさね。いろいろと。あれやこれやと。
※
浮世草子・好色一代男(1682)五「何隠すべしと、段々
(ダンダン)山三郎、
身の上の事を、昔を今に愁歎してかたりぬ」
[3] 〘感動〙 (「だんだん
有難う」の略。
天明(
一七八一‐八九)頃から京都の遊里に始まるあいさつ語) ありがとう。いろいろとありがとう。
※
滑稽本・当世真々乃川(1785)二「人に対する
言葉をも、
みなまでは言て居ず、今日はというて
御苦労と聞かせ、段々
(ダンダン)というて有難と響かせ」
だん‐だら【段段】
〘名〙
① いくつもの段になっていること。刻み目がいくつもあること。だんだん。
② 横縞状にいくつかの色が織り出されたり染め出されたりなどしている模様。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「状袋が紅白のだんだらで」
きだ‐きだ【段段】
〘形動〙 =
きざきざ①〔観智院本名義抄(1241)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「段段」の読み・字形・画数・意味
【段段】だんだん
きれぎれ。前蜀・荘〔乞彩牋の歌〕詩 手に金刀を把(と)りて、綵雲を擘(さ)く 時に秋天の碧を翦破(せんぱ)するり 紅霓(こうげい)をして段段に飛ばしめず 一時に驅して上る、丹霞の壁字通「段」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報