(読み)ロウ

デジタル大辞泉 「漏」の意味・読み・例文・類語

ろう【漏】[漢字項目]

常用漢字] [音]ロウ(漢) ロ(慣) [訓]もる もれる もらす
ロウ
液体などがすきまからもれる。「漏洩ろうえい漏出漏水漏電漏斗ろうと歯槽膿漏しそうのうろう
必要な物事が抜け落ちる。手落ち。「遺漏欠漏杜漏ずろう疎漏脱漏
水時計。「漏壺ろうこ漏刻砂漏夜漏
〈ロ〉煩悩ぼんのう。「有漏うろ無漏
難読漏斗じょうご

ろ【漏】

仏語。流れて漏れ出てくるけがれ。煩悩ぼんのうのこと。

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精選版 日本国語大辞典 「漏」の意味・読み・例文・類語

ろう【漏】

  1. 〘 名詞 〙ろうこく(漏刻)」の略。
    1. [初出の実例]「言笑不夜漏夢到故山雲」(出典菅家文草(900頃)二・過大使房賦雨後熱)
    2. [その他の文献]〔説文‐巻一一下〕

ろ【漏】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。漏れ出るものの意で、煩悩異名
    1. [初出の実例]「諸漏已尽無復煩悩者、嘆羅漢不生徳」(出典:法華義疏(7C前)一)
    2. [その他の文献]〔法華経‐序品〕

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普及版 字通 「漏」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)
11画

[字音] ロウ
[字訓] もれる・うしなう・とき

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ろう)。雨漏り。〔説文十一上に「銅を以て水を受け、す。晝夜百あり」(段注本)とあって漏刻、水時計をいう。夏至には昼六十刻、夜四十刻、冬至には昼夜を反する。漏刻のことは〔周礼、夏官、挈壺氏〕にみえる。もと漏泄の意があり、その度を定めて時を計った。

[訓義]
1. もれる、水がもれる、にじむ。
2. うしなう、なくする、ぬける。
3. とき、漏刻、水時計。
4. 室の西北隅、屋漏。霊の訪れるところとされた。中霤(ちゆうりゆう)の神を祀る。

[古辞書の訓]
名義抄〕漏 モル・ウス・シタタル・ウガツ・カケタリ・ケガス

[語系]
漏・loは同声。霤・溜・(流)liuは声近く、霤は雨滴、漏洩したものがれ流れる。これらの語はもと一系をなすものであった。

[熟語]
漏遺・漏逸・漏永・漏越漏甕・漏屋・漏下・漏眼・漏窮・漏空・漏決・漏言漏鼓・漏壺・漏刻・漏催・漏策漏巵・漏失・漏舟・漏鐘・漏尽・漏水・漏声・漏泄漏渫・漏洩・漏船・漏漏籖・漏脱漏奪・漏底・漏天・漏点漏斗・漏・漏敗・漏発・漏板・漏費・漏分漏崩・漏網・漏夜・漏落・漏理・漏略・漏露
[下接語]
遺漏・屋漏・罅漏・壊漏・漏・玉漏・欠漏・決漏・壺漏・刻漏・沙漏・残漏・手漏・宵漏・鐘漏・滲漏・水漏・泄漏・漏・疎漏・漏・脱漏・転漏・透漏・破漏・漏・補漏・夜漏・


11画

(異体字)漏
14画

[字音] ロウ
[字訓] もれる

[説文解字]

[字形] 会意
尸(し)+雨。尸は屋の檐(のき)の形。〔説文〕十一下に「屋(うが)たれて水下るなり。雨の尸下に在るに從ふ。尸なるは屋なり」とあり、漏の初文である。

[訓義]
1. もれる、雨がもる。
2. 漏の初文。

[声系]
〔説文〕十一上声として漏をあげ、亦声とする。漏を漏刻の意として、と区別するが、もと一字である。

[語系]
・漏loは同声。霤・溜・(流)liuはその滴り流れることをいう。婁lo系統の字にもすきまの意があり、みな声義に関連がある。

[熟語]

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