デジタル大辞泉
「白ける」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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しら・ける【白】
- [ 1 ] 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]しら・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙- ① 白くなる。また、色があせる。
- [初出の実例]「若かりし 膚も皺みぬ 黒かりし 髪も白斑(しらけ)ぬ」(出典:万葉集(8C後)九・一七四〇)
- ② 明らかになる。つつみ隠していたことが明白になる。露見する。
- [初出の実例]「かふしらけた上なれば、もはやつつまん様もなし」(出典:浄瑠璃・愛染明王影向松(1688‐1711頃か)上)
- ③ 盛り上がっていた気持や雰囲気(ふんいき)がしぼんでなくなる。興がさめる。気まずくなる。
- [初出の実例]「白けて見ゆる狐かな〈源頼朝〉と侍るに 契あらば夜こそこそといふべきに〈平景時〉」(出典:菟玖波集(1356)雑体)
- 「座興いへ共、清五郎無(ぶ)機嫌になりて、挨拶そこそこにしらけたるに、首尾あししとて二人は帰りぬ」(出典:浮世草子・武道伝来記(1687)八)
- ④ ぐあいが悪くなる。きまりが悪くなる。
- [初出の実例]「御咎め无かりければ、申しける僧は皆白けにけり」(出典:神宮文庫本発心集(1216頃か)二)
- 「もとよりみかたはしにいくさ、思ひきったることなれば、よせてはしらけて見へたりけり」(出典:浄瑠璃・吉野忠信(1697頃)五)
- ⑤ 知っていながら知らないふりをする。しらばくれる。
- [初出の実例]「女出立の男はたそ、名のらせ給へととぼけ顔、しらけて男にあしらへば」(出典:浄瑠璃・日本武尊吾妻鑑(1720)二)
- [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]しら・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 明らかにする。おおっぴらにする。また、つつみ隠さずに語る。うちあける。- [初出の実例]「うちまかせて万(よろず)しらけて物を語りけるに」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)二)
白けるの補助注記
「白くなる」という意を表わすという点で、「しらく」と「しらむ」とは類義語の関係にあるが、「しらく」は主として「頭髪が白くなる」ことを意味し、「しらむ」は、「白くなる」の意味のほか「明るくなる」の意味でも用いられた。「しらむ」は和文・和歌にしか用いられないなどの差異も見られる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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