デジタル大辞泉
「示」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
しめ・す【示】
〘他サ五(四)〙
① 物を実際に出して見せる。あらわす。
※
書紀(720)欽明二年七月(寛文版訓)「
任那と
新羅と策を席
(しきひ)の際に運
(はこ)むて、蜂蛇
(はちをろち)の恠
(しるまし)を現
(シメス)」
※大鏡(12C前)三「かやうにもゆめなどしめいたまはずとも、この人の御往生、うたがひ申べきならず」
② 感情、意志などを外に表わして見せる。はっきりと知らせる。
※
万葉(8C後)四・七二五「にほ鳥の潜
(かづ)く池水心あらば君に吾が恋ふる心示左
(しめサ)ね」
※
太平記(14C後)三一「舟を沈め糧を捨て、二度び帰らじと云心を示
(シメ)すは、良将の謀なり」
③ さして教える。指示する。また、夢などで告げる。
※万葉(8C後)三・二七九「吾妹子に猪名野は見せつ名次山角の松原いつか示(しめさ)む」
※
源氏(1001‐14頃)明石「雨風やまばこの浦に寄せよと、かねてしめすことの侍りしかば」
④ 教えさとす。訓戒する。
※
古今著聞集(1254)一二「『我国第一の
能説をきかん事を悦おもふに、いかにかくさまたげはするぞ』としめしたまひければ」
※
浮世草子・
好色一代男(1682)六「宿の男などとの事は末に名の立をひそかにしめし、やり手がよく計
(はかり)の
算用もきかず」
⑤ みせしめにする。
しめし【示】
① わかるようにはっきりと見せること。
② さとし教えること。
手本を示して
会得(えとく)させること。教え。
教訓。
※文明本節用集(室町中)「受
レ示
シメシヲウケル」
※
咄本・昨日は今日の
物語(1614‐24頃)上「
我等久しくめしつかはれ、この年になり候へども、つゐに御しめしをも受けず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報