(読み)ジ

デジタル大辞泉 「次」の意味・読み・例文・類語

じ【次】[漢字項目]

[音](慣) (呉)(漢) [訓]つぐ つぎ
学習漢字]3年
〈ジ〉
つぐ。つぎ。二番目。「次回次官次期次席次長次男
順序。「式次順次序次席次漸次ぜんじ逐次年次目次
ついで。途中。「途次路次
回数や順序を示す語。「今次数次両次
宿る。宿る所。「宿次」
星の宿り。「歳次
〈シ〉順序。「次第
〈つぎ〉「次次五十三次
[難読]次官すけ月次つきなみ

じ【次】

[名]
つぎのもの。つぎ。「年度」
化学で、酸素酸などの一つの系統の化合物中、酸化の程度が標準的なものより低いことを表す語。「亜」よりさらに低いことを表す語。「亜硝酸」
[接尾]助数詞。度数・回数などを数えるのに用いる。「二方程式」「第二募集」

つぎ【次】

すぐあとに続くこと。また、そのもの。「の日曜」「の角を曲がる」
あるものに続く地位。一段低い地位。また、一段劣ること。「主峰のに位置する」
座敷に続く控えの間。次の
「酒も膳も慌てて―に運ぶのである」〈小杉天外魔風恋風
宿場。駅。「東海道五十三
[類語]次回

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精選版 日本国語大辞典 「次」の意味・読み・例文・類語

つぎ【次】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 後に接続すること。あとにすぐ続くこと。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「天之御中主神〈略〉次(つぎ)に高御産巣日神、次(つぎ)に神産巣日神」(出典:古事記(712)上)
    2. 「春宮の御事をかへすがへす聞えさせ給ひて、つぎには大将の御事」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  3. あるもののすぐ下の地位。あるものの下。また、少し劣るもの。
    1. [初出の実例]「請らくは皇后次妃(ツキノミメ)の為に、屯倉(みやけ)の地を建立てて」(出典:日本書紀(720)安閑元年一〇月(北野本訓))
    2. 「たとひ、能は少し次なりとも、祝言ならば、苦しかるまじ」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)三)
  4. 座敷に続くひかえの間。次の間。つぎのへや。
    1. [初出の実例]「わたくしもおつぎで、御酒をたべひと仰られて」(出典:虎明本狂言・柑子(室町末‐近世初))
  5. ( 馬・駕籠のつぎたてを行なう所から ) 宿場(しゅくば)。駅。うまや。
    1. [初出の実例]「書編(かきつづり)たる東海道、五十三次(ツギ)の記行(みちのき)に」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)初)

じ【次】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 順序。
    1. [初出の実例]「且問、入寺諸仏事、必有次第否。余曰、必定一、一不次」(出典:空華日用工夫略集‐永徳二年(1382)一二月九日)
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙
    1. 名詞に付いて、次のもの、次位の意を表わす語。
    2. 化学で、中心元素を同じくする酸素酸のうち、酸化の程度の一段階低いものに冠する語。それより低いものには「亜」、さらに低いものには「次亜」を冠する。
    3. 化学で、塩基性塩(正塩を含むこともある)の混合物で、不純物の多いものや組成のはっきりしないものに冠して用いた。
  3. [ 3 ] 〘 接尾語 〙 回数、度数、席数などを数えるのに用いる。

つぎてつぎて‐し【次】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 順序や次第が整っている。順を追っている。
    1. [初出の実例]「楽見(みかほ)しく雅(みさを)に次(ツキテツキテシク)、有る可きに行ひたまふ」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))

すがいすがひ【次】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すがう(次)」の連用形名詞化 ) すれちがうこと。かけちがって合わないこと。〔俚言集覧(1797頃)〕

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普及版 字通 「次」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

(旧字)
6画

[字音]
[字訓] なげく・つぐ・つぎ・やどる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
人が咨嗟(しさ)してなげく形。口気のもれている姿である。〔説文〕八下に「(すす)まず。(くは)しからざるなり」とし、二(に)声とするが、二に従う字ではなく、〔説文〕の訓義の意も知られない。は咨(なげ)き訴えるその口気を示す形。咨は祈るとき、その口気を祝詞(さい)に加える形。神に憂え咨(なげ)いて訴え、神意に諮(はか)ることをいい、咨は(諮)の初文。そのたち嘆くさまを(姿)という。第二・次第の意は、おそらくくりかえすことから、また「次(やど)る」は軍行のときに用いるもので、古くは(し)の字義にあたり、音を以て通用するものであろう。古文の字形は、他に徴すべきものがなく、中島竦の〔書契淵源〕に、婦人の首飾りを〔儀礼、士冠礼〕に次と称しており、その象形の字であろうという。〔説文〕の解は、〔易、夬、九四〕「其の行、且(じしょ)」の語によって解したものであろうが、次且は二字連語、そこから次の字義を導くことはできない。

[訓義]
1. なげく、たちなげく。
2. なげきうったえる、なげきはかる。のち咨・諮を用いる。
3. かさねつづける、つぐ、つぎ、つぎつぎに。
4. ならぶ、順序にしたがう、ついで、序列、そのならぶところ。
5. (し)と通用し、やどる、軍がやどる。は軍の駐屯地に標木を立てた形。陣屋、かりにやどる。
6. 旅のやどり、やど、たび、そのとき、あいだ。
7. そのほとり、かたわら。

[古辞書の訓]
名義抄 ツギ・ツイデ・ヤドル・タスク・ワタル・ナホ・ナゲク・ナラフ・ヒラク・ナミ・タツ・ヨシ・ツグ・ヒヒル・トル・トドマル/取 ミダリガハシ/ シバラクモ・ニハカニ/ ツキナミ

[声系]
〔説文〕に声として茨・咨・(資)・恣・など十三字を収める。茨・咨・恣・は、の本義を承ける字である。(ししよ)、前(すす)まぬ意であるが、二字合わせて形況の語である。

[語系]
tsyeiは咨・恣・tzieiと声義近く、の声義を承ける。茨・dzieiは多くのもの、それを相次第するような意がある。卜文に軍の駐屯するところをといい、おそらく朿(し)・刺tsiekの声の字であろう。は相通じ、軍の次(やど)る意に用いる。

[熟語]
次韻・次宴次兄次午・次公・次功・次行・次国・次骨・次妻・次止・次次・次舎・次且・次緒・次序次叙・次賞次乗・次数・次席・次息・次第・次置・次伝・次配・次比・次妃・次布・次浮・次副・次分・次列・次路次輅・次郎
[下接語]
亜次・以次・位次・一次・越次・階次・館次・久次・居次・胸次・語次・功次・校次・高次・今次・差次・座次・歳次・師次・失次・舎次・爵次・取次・順次・序次・条次・辰次・数次・世次・席次・次・選次・漸次・草次・造次・即次・第次・逐次・秩次・躔次・伝次・途次・同次・道次・年次・排次・班次・比次・不次・分次・次・編次・目次・野次・旅次・倫次・次・累次・類次・列次・路次

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