精選版 日本国語大辞典 「次」の意味・読み・例文・類語
つぎ【次】
〘名〙
① 後に接続すること。あとにすぐ続くこと。また、そのもの。
② あるもののすぐ下の地位。あるものの下。また、少し劣るもの。
※風姿花伝(1400‐02頃)三「たとひ、能は少し次なりとも、祝言ならば、苦しかるまじ」
③ 座敷に続くひかえの間。次の間。つぎのへや。
※虎明本狂言・柑子(室町末‐近世初)「わたくしもおつぎで、御酒をたべひと仰られて」
すが・う すがふ【次】
〘自ハ四〙
① あとに連なる。つぎつぎに続く。連なり並ぶ。
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)乙女「かういふさいわい人の腹のきさきがねこそ、又おひすがひぬれ」
② 追いついて並ぶ。匹敵する。→うちすがう。
※改正増補和英語林集成(1886)「Sugai, au スガフ 並」
③ くい違う。また、いきちがうようになる。
※散木奇歌集(1128頃)恋下「すがひてあはず かりそめにいるとや鹿の思ふらむあふひとすれば身をかくしつる」
つぎてつぎて‐
し【次】
〘形シク〙 順序や次第が整っている。順を追っている。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「楽見(みかほ)しく雅(みさを)に次(ツキテツキテシク)、有る可きに行ひたまふ」
す・く【次】
〘自カ四〙 そのあとに続く。
[補注]「書紀‐天武五年九月」に「次〈次、此をば須岐と云ふ〉丹波国訶沙郡」、「万葉‐二七九」に「名次山」、「二十巻本和名抄‐七」に「近江国〈略〉湯次〈由須木〉」という地名が見られることなどから存在が推定される語。
すがい すがひ【次】
〘名〙 (動詞「すがう(次)」の連用形の名詞化) すれちがうこと。かけちがって合わないこと。〔俚言集覧(1797頃)〕
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